テニス、ウィンブルドン選手権、男子シングルス準決勝の前日練習に臨むロジャー・フェデラー(2017年7月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は今、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で前人未到となる8度目のタイトルまであと2勝に迫っているが、史上最年長優勝への行く手には巨人たちが待ち構えている。

 オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club、AELTC)で12度目の準決勝進出を決め、時間の流れに逆らうような強さを披露している35歳のフェデラーは14日、2010年大会準優勝のトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)と対戦する。仮にベルディハとの25度目の対戦で19勝目を挙げれば、16日の決勝ではサム・クエリー(Sam Querrey、米国)とマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)の勝者と顔を合わせる。

 四大大会(グランドスラム)通算18勝のフェデラーだが、4強に入った残る3選手とのコントラストは、これ以上なく際立ったものとなっている。フェデラーが身長185センチ、体重85キロの体でプレーする一方、ベルディハが196センチ、91キロ、クエリーは198センチ、95キロ、チリッチも198センチ、89キロとそれぞれ恵まれた体格を誇っている。

 それゆえ、ウィンブルドンで11度目の決勝進出を目指すフェデラー本人も、「3人とも私より背が高いし、力強い」、「別のやり方を見いださなくてはならない。スライスやスピン、安定感などで何とか自分の道を切り開かなくてはいけない」とライバルたちからフィジカル面で脅威にさらされることは自覚している。

「優勝候補本命であるかは関係ない。彼らは皆ビッグヒッターだし、試合の結果に影響を与える力はあると思う」

 しかしながら、フェデラーは準決勝へ進む過程で1セットも落としておらず、ブレークされたゲーム数もわずか3に抑えている。さらに、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)との準々決勝では、今大会2番目に速いファーストサーブ(時速228.5キロ)を記録した相手のエース数を11にとどめることにも成功している。

 また、けがに苦しむアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が12日に敗れ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も4回戦敗退と、「ビッグ4」のライバルが大会から姿を消したことで、当時39歳で準優勝に輝いた1974年のケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏に次ぐ年長記録でベスト4に入ったフェデラーは、優勝候補筆頭に躍り出ている。

 むだを取り除いたスケジュールから最大限の成功を収めているフェデラーにとって、ウィンブルドンは今季わずか7大会目で、ナダルが優勝した全仏オープンテニス(French Open 2017)は2年連続で出場を見送っていた。

■「過去最高のフェデラー」

 昨年のウィンブルドン準決勝でラオニッチに敗れた後、すでに年始に手術を必要としていた膝を休めるため、フェデラーはシーズンに終止符を打った。そして今年1月に復帰を果たすと、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)でグランドスラム18勝目を獲得。クレーコートシーズンを見送る前には、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2017)とマイアミ・オープン(Miami Open 2017)で2週連続優勝を飾った。

 フェデラーの新たな取り組み方を称賛する元世界ランキング1位のボリス・ベッカー(Boris Becker)氏は、英BBCに対し「フェデラーは35歳にして過去最高のテニスをしている。テニス以外での生活もしっかりしているからね」と話している。

 一方でベルディハも、2010年のウィンブルドンでは自身唯一のグランドスラム決勝進出を果たす過程でフェデラーと準々決勝でぶつかるも、4セットで勝利をもぎ取った経験があるなど、決しておじけづくことはないだろう。

 フェデラーより4歳年下で大会第11シードのベルディハは、4回戦で第8シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)にフルセット勝ち。準々決勝はジョコビッチが肘のけがを理由にリタイアしたことで、勝ち上がりを決めている。

「ロジャーは別格のテニス選手。史上最高さ。彼とプレーする機会というのは、最高の挑戦だ」と話す31歳のベルディハは今季、全豪オープンで3回戦敗退、全仏オープンでは2回戦敗退とグランドスラムでの成績は振るわないが、ウィンブルドンに限れば2年連続で準決勝進出を果たしている。

 もう一方の山では、クエリーが自身42度目のグランドスラム出場にして初のベスト4入りを果たした。前回大会でジョコビッチを撃破した第24シードのクエリーは、12日の準々決勝でもディフェンディングチャンピオンのマレーを破り、1年前の結果はまぐれではなかったことを証明している。

 米国出身男子選手としては2009年のアンディ・ロディック(Andy Roddick)氏以来となるグランドスラム4強入りを果たしたクエリーだが、準決勝で対戦する2014年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)覇者で第7シードのチリッチには、対戦成績で0勝4敗とリードを許している。

 両者は2009年と2012年のウィンブルドンでも顔を合わせており、5年前の一戦では、大会史上2番目に長い5時間31分の死闘を演じた。最終セット17-15で勝敗が決した試合の再現は避けたいとチリッチは口にしているが、今大会では2人あわせて計224本のエースを記録しているなど、再び長い午後が待ち受けている可能性も否定することはできない。
【翻訳編集】AFPBB News