気温や湿度が上がると、気になり始めるのが熱中症です。汗をたくさんかくと、体の水分が失われて、脱水症が起こりやすくなります。自覚症状があまりない脱水症ですが「かくれ脱水」といわれる、脱水が起こり始めた初期のうちに対処しておくことが大切です。

自覚症状があまりない脱水症

脱水症とは体から水分や電解質が急速に失われていくことで起こります。下痢や嘔吐で脱水症になることが多く、また炎天下や暑い室内に長時間いると熱中症となり、体液が汗となって体外へ出ていってしまうことでも脱水症になります。脱水症の注意したい点は、最初のうちは症状があまりなく、見落としてしまいがちなところ。だから自覚症状が出はじめたときには、状態がすでに重くなっていることが多いのです。自覚症状があまりない初期の脱水症を「かくれ脱水」といいますが、このかくれ脱水を見逃さず、すぐに対処することが肝心です。

かくれ脱水の症状は夏バテの症状と同じ

人間の体からは、毎日約2,5リットルほどの水分が尿や汗となって出て行きます。そのかわり飲み物や食品から同量の水分を補給することで、体内の水分量が保たれています。しかし暑さでバランスが崩れ、汗などにより体から出ていく水分量が多くなると、血液の量が減ってしまいます。血液量の低下は臓器や脳の機能低下を招き、食欲不振や疲れ、集中力が散漫するなどの症状が現れます。これらはかくれ脱水が起こったときの典型的な症状ですが、夏バテの症状と同じだと思いませんか。つまり夏バテしてしまうときは、すでにかくれ脱水が起こっている可能性が高いと言えるのです。

こまめに水分・電解質補給することが大切

かくれ脱水は、炎天下で運動や作業をしているときだけでなく、屋内でも起こる可能性が十分にあります。夏の暑い時期は、体から出ていった水分や電解質は、すぐに補うようにしましょう。そのためには一度にまとめてではなく、こまめに水分・電解質補給をすることが必要です。電解質はバランスの良い食事を摂れば十分に摂取できるので、食欲の落ちやすい時でも意識してしっかり食事を摂るようにしましょう。無理なダイエットをすると脱水症を起こしやすくするので注意しましょう。それから体の体温を上げすぎないように、通気性の良い服装をするようにし、冷房を利用することも大切です。

もったいないからと冷房の温度を上げたり、スイッチを切ってしまったりすると、熱中症や脱水症の原因となることもあります。また水分補給だからといって甘い飲み物やイオン水の飲み過ぎには注意が必要です。適切に判断して体の負担を少なくし、暑い夏を健康に乗り切れるように頑張りましょう。


writer:Akina