指原莉乃

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 総選挙を例に出さずとも、女性アイドルのグループ内には厳然としたヒエラルキーが存在する。例えばかつてのAKB48は、“センター”として前田敦子や大島優子が存在感を発揮。一方で、篠田麻里子が重鎮としてにらみを利かせていた。初期のモーニング娘。は、安倍なつみや後藤真希がエースとして活躍しつつ、リーダーの中澤裕子がメンバーをしっかり管理していたのは明らかだ。

 しかし、グループ内で機能していた“格”も、外へ出るや、きれいさっぱりとリセットされてしまう。グループ内では“年長組”にカテゴライズされていたメンバーなのに、外に出ると「実は意外に世間知らずだった」と発覚するようなケースが少なくないのだ。AKBでは重鎮的存在であった篠田も、いつしかその姿を見かけなくなってしまった。AKBとファンの間でのみ成立する出来事や関係性を、有吉弘行が「AKB村」の一言で表現したのは痛烈だったが、まさにこういうことなのだろう。

 そんな中、“村”の中と外に存在する差異を突破できるであろう存在として、指原莉乃への期待は大きい。「指原は本当に賢い。ほかの女性タレントと比べても(頭ひとつ)抜けている」と松本人志から評価されたほどの彼女。AKB総選挙1位の実績そのままに、“村外”での活躍も期待できる稀有な存在である。


■久々に“泣き虫キャラ”が露呈した、女王・指原

 7月10日に放送された『真夜中』(フジテレビ系)にて、指原はリリー・フランキーやDJの高木完、田中知之、川辺ヒロシに連れられて、渋谷のクラブ「VISION(ビジョン)」を訪れた。彼女にとって、クラブ初体験だそうだ。

 ちなみに、指原が抱くクラブへの印象は最悪である。「一番無理ですね。クラブへ行く人も嫌い。本当に無理!」と、はっきりと口にする指原。彼女が抱くクラブへの先入観の多くは“恐怖心”が占めており、その印象を覆すのが今回の目的である。

「VISION」へ足を踏み入れるまでに高木や田中、川辺と会話をし、想像していた“パーティーピーポー”とは異なる人柄に触れた指原。徐々に徐々に慣れながらクラブ初体験を成功させようと、番組は画策している。

 しかし、それも破綻する。グラスを持って「VISION」のフロア内を歩く指原一行の姿をカメラは追うのだが、映像は唐突に、別日に撮ったと思われるリリーのワンショットに切り替わった。以下は、リリーによる状況説明である。

「あの日は、予定ではDJの方に『フォーチュンクッキーをかけてください』とお願いをしてて、ステージに指原が出て、みんなでフォーチュンクッキーを踊ろうっていう予定だったんですけど、初めてのクラブで酔っぱらいの人がたくさんいて話しかけられたり。(指原は)人見知りなんで、怖かったんでしょうね。で、泣いてしまいまして……」

 控室で一行はトークを展開するのだが、その最中、次第に表情が変わっていく指原。腕を組み、目に涙をためながら「私、出るのやめよっかなー。本当に、飲んでる人がシンプルに怖い! 怖い……。ごめんなさい、すごい怖かったの(泣)。すごい怖い……」。ついに、彼女は落涙してしまった。

 確かに、数年前は“泣き虫キャラ”でもあった指原。しかしここ最近は、松本が評価するほどの知識と腕を発揮。伸び伸びと仕事に邁進する姿ばかりが印象深かったので、今回の展開はちょっとした驚きである。

 総選挙では女王として君臨し、バラエティでは気の利いたコメントを放ち、時には仕切る側へ回ることもある指原。その活躍は、素直に感嘆に値する。

 とはいえ、現在は秋元康の傘の下で保護される状況である。もしもこの肩書をなくし、裸一貫で“村外”へ出たらどうなるだろう? 今回、クラブという未知の場所で泣きを入れてしまった彼女に、一抹の不安を感じたのも事実だ。想像してみてほしい。ロケで、一介の芸能人がクラブへ行っただけで泣きを入れでもしたら、それってかなりヤバいタレントだと思うのだ。

 やはり、グループアイドルのメンバーにとって“村”の外は鬼門なのか? ほかのメンバーと比べると、はるかに確かな腕を持つ指原なのだから、この不安は杞憂であってほしい。
(文=火の車)