世界一危険と言われるセント・マーチン島のマホ・ビーチ(画像は『Global News 2017年7月13日付「Jet blast kills tourist at famed Maho Beach in St. Maarten」』のスクリーンショット)

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カリブ海のセント・マーチン島といえば、美しいビーチとは別に旅客機の超低空飛行、つまりプリンセス・ジュリアナ国際空港の離着陸を間近にみることができるビーチとしてマホ・ビーチが非常に有名である。スリリングな体験を目当てにそこには観光客や飛行機好きが大勢集まるが、想像する以上に危険と言われるそのビーチでついに死者が出たもようだ。

現地の13日に警察の広報を担当するリカルド・ヘンソン氏が発表したところによれば、マホ・ビーチで死亡したのはニュージーランドから来ていた57歳の女性(氏名などは明らかにされず)。女性はほかの人々と同様に空港フェンスにしがみつきながら離陸しようとする一機を見ていたといい、しかしエンジンの回転が上がるとその激しい後方気流に吹き飛ばされ、コンクリート製の壁に身体を強打。搬送先の病院で死亡が確認された。

ヘンソン氏はさらに「すでに数十名の負傷者が出ていますが、死者は今回が初めてです。毎年、大変な数の観光客がここを訪れます。後方気流に気をつけ、空港のフェンスに近寄らないよう“DANGER”の警告板をいくつも設置しているのですが…。連日のことで当局としてもこの危険な状況には頭を抱えています」と話し、女性の握力で耐えられるほど大型旅客機の後方気流は甘いものではないと警告している。

セント・マーチン島はカリブ海のリーワード諸島にあり、日本からはニューヨークを経由していく人が多い。英語圏ではセント・マーティンと呼ばれるが、北側はフランス領、南側はオランダ領となるためサン・マルタン(仏語)、シント・マールテン(オランダ語)とも呼ばれる。空港の滑走路がすぐ東にあるマホ・ビーチでは、離着陸する大型ジェット旅客機が地上20〜30mの超低空で飛ぶが、その原因は2433mという短い滑走路にある。事故防止のためにもその延長工事は急務であろう。

画像は『Global News 2017年7月13日付「Jet blast kills tourist at famed Maho Beach in St. Maarten」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)