顧客満足経営のツボ1 〜あなたのお客さまは誰ですか?〜

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 顧客満足(CS)経営で基本となるのが自社の顧客を明確にすることです。『常に自分のお客さまは誰か?』と問うて、お客さまのことを考え続けることが大切です。

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●顧客分析を失敗した衣料品チェーン

 ある衣料品チェーンの店舗に初めて訪問した時の印象が『店頭がマッチャッチャだ』というものでした。シャツ、スカート、靴下に至る主力品種の中心となるカラーがすべてこげ茶色だったためです。

 理由を売場責任者に聞くと「自店舗のお客さまはシニア女性が多く、どの主力品種でも茶色、こげ茶色のものがよく売れる。ウチは補充発注が利く商品ばかりなので、売れるカラーを繰り返し発注し、お客さまのニーズに応えた。また在庫効率を高めるため売れないカラーである白色、黄色、赤色を売場から除いた、その結果この売場になった」とのことでした。

 一見、顧客ニーズに対応しているように見えますが、実は年々客数を減らし、売上高目標を達成出来ない問題店舗でした。その理由は一体何だったのでしょうか?

●NOW顧客とFUTURE顧客

 顧客満足(CS)経営ではNOW顧客とFUTURE顧客という概念でお客さまを分析(分けて考える)する必要があります。

 NOW顧客とは現在のお客さまの中で一番多い客層で自店舗の売上高に貢献してくれているお客さま層です。一方FUTURE顧客とは現在自店舗には少ない、またはいないが将来増やしたいお客さま層です。

 NOW顧客は『守りたいお客さま』で、FUTURE顧客は『増やしたいお客さま』となります。事例ではNOW顧客であるシニア女性を守る施策⇒『買ってくださるカラーを充実させる』ことは出来ていたのですが、残念ながらFUTURE顧客への意識はまったくなかったのです。

 もし、FUTURE顧客即ち増やしたいお客さまが明確になっていれば、在庫効率だけを自動的に考えて、主力品種でカラー展開を少なくすることはなかったはずです。

 マーケティングの世界では対象とするお客さま層を絞り過ぎると失敗すると言われていますが、その典型的なことが起きてしまったのです。

 このようにNOW顧客とFUTURE顧客という概念を理解し、守りたいお客さまは誰か、そのお客さまの期待にどのようにお応えするのか、また増やしたいお客さまは誰か、そのためにはどんな新施策が必要なのかを考え続けなくてはならないのです。

 マネジメントの始祖P.F.ドラッカーは『あなたのお客さまは誰ですか?』と経営者に問い続けています。これが顧客満足を基軸にした経営革新の出発点となるのです。