再生医学において「心臓を3Dプリントで出力する」というのは大きなゴールの1つとなっていて、研究者たちは「本物の心臓」に近い人工心臓を2023年までに3Dプリンターで作る計画を立てています。この計画が本当に実現することを期待させる、本物の心臓のようなシリコン製人工心臓の3Dプリンターでの出力に、チューリッヒ工科大学の研究チームが成功しました。

Testing a soft artificial heart | ETH Zurich

https://www.ethz.ch/en/news-and-events/eth-news/news/2017/07/artificial_heart.html



チューリッヒ工科大学は、デモンストレーションの様子をYouTubeで公開しています。

Testing a soft artificial heart - YouTube

シリコン製の「柔らかい」人工心臓を生みだしたのは、チューリッヒ工科大学機能材料工学科のWendelin Stark教授率いる研究チームの一員、Nicholas Cohrs氏。



今現在、広く使われている人工心臓には体内型、体外型などいろんなタイプがありますが、いずれもサイズは本物の心臓を上回ります。しかし、このシリコン製人工心臓は本物の心臓とほぼ同じ大きさです。



作成には3Dプリンターが使用されていて、重さは390g。



本物の心臓と同じように左心室、右心室があって……



脈を打つ筋肉の役割を果たす補助室もあります。



映像で見るとわかりますが、シリコン製人工心臓は本物の心臓と同じように脈打ちます。



ただ、耐久度はおよそ心拍3000回分というところが本物の心臓とは異なります。これは使用可能時間がおよそ30分から45分ほどであることを示します。



Cohrs氏は「今回はあくまで実現可能性の試験で、我々のゴールは人工心臓の開発に新たな方向性を示すことです」と語っています。今回、素材の問題が明らかになったことで、さらに人工心臓に関する研究が捗れば、2023年までに3Dプリンターで「本物の心臓を作り出す」ということも夢物語ではない気がします。