中国の首都・北京にある北朝鮮大使館が、敷地内に宿泊施設を建設中だと、米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースが報じた。

NKニュースは、北京市中心部にある北朝鮮大使館内の敷地内で、半年ほど前から建設工事が行われていると指摘。これについて、VIPや外交使節のみならず大使館の訪問客など北京を訪れる北朝鮮人のための宿泊施設であると、匿名の情報筋の話を引用して報じた。

また、豪マコーリー大学のアンドレイ・アブラハミアン名誉研究員はNKニュースに対し、北朝鮮は自国民のための宿泊施設をすでに北京に有しているが、今回の工事はそれを増設するものだと思われると述べた。

しかし、この施設が商業的に運営されるかはわからないとしている。

工事の主体、完成後の運営形態など詳細は不明だが、国連安全保障理事会の制裁決議に抵触する可能性があると指摘されている。

米国戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グレージャー氏は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、国連安保理が名指しした個人や企業がこの工事に関与しているとなれば、国連安保理の制裁決議に違反だろうと指摘しつつも、さらなる情報が必要だとして断定は避けた。

また、情報筋がNKニュースに提供した建設現場の写真には、中国最大手の国有建設企業、中国建築筑工程総公司(CSCEC)の社名とロゴの入ったクレーンが写っているが、同社が工事に関わっているとするならば、批判は避けられないだろう。

さらに、もしこの施設が商業的に運営されるとなれば、外交目的で登録された不動産を営利活動に使用してはならないとする、外交官の特権を定めたウィーン条約に違反する行為だ。

国連安保理の北朝鮮制裁決議2321号は、18条で「全ての国連加盟国が、その領域内において北朝鮮が所有し又は賃貸している不動産について、外交又は領事活動以外のいかなる目的での使用も禁止する」としている。

北朝鮮はポーランド、ブルガリアなどヨーロッパ各国にある自国大使館の敷地を民間業者に貸し出して、不当に利益を得ていることで批判を浴びている。

ドイツ当局は今年5月、在ベルリンの北朝鮮大使館が、民間宿泊施設に建物を貸し出しているとして、このような行為を禁止する方針を打ち出した。しかし、7月現在でもこの宿泊施設は営業中だ。

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