トランプ・ロシア疑惑で急浮上、大富豪アガラロフ親子とは

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昨年6月、ドナルド・トランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニアは父のロシア人ビジネスパートナーの代理人を務める人物から電子メールを受け取った。そこには、大統領選の対立候補ヒラリー・クリントンの犯罪を立証する情報を、「ロシア検察官」がトランプ側に提供したがっていると書かれていた。

ドナルド・トランプ・ジュニアはこれに飛びついた。本人が11日にツイッターで公開した一連のメールによると、「それが本当なら素晴らしい」と返信していた。

この後、彼はメールの中で「ロシア政府の弁護士」とされた女性とニューヨークで面会。だが「本人も公言しているように、彼女は政府の役人ではなかった。また既に説明した通り、彼女は提供できる情報を持っていなかった」と、ツイッターに発表した声明で説明している。

しかし、メールの差出人であるロブ・ゴールドストーンは、ロシア政府とロシア人ビジネスパートナーの両方が関わっていたことを明言していた。メールには「これはもちろん非常に高レベルの極秘情報で、トランプを支持するロシア政府の活動の一環だ。アラスとエミンも協力している」とある。

では、面会を仲介したとされるアラスとエミンとは一体どのような人物なのか?

アラス・アガラロフ(61)は不動産業を営むロシア人で、保有資産は推定19億ドル(約2200億円)。旧ソ連の崩壊直前の1989年に不動産会社クロッカス・グループを設立した。

ロシア政府とのつながりが深い同社は、政府関連機関から複数の契約を受けており、2018年FIFAワールドカップで使用予定のスタジアムの建設計画では総合建設請負業者に指名された。

同社はモスクワのクロッカス・シティ・モールをはじめとする高額資産をロシア各地で数十件所有している。アラガロフは2013年、ウラジーミル・プーチン大統領から名誉勲章を授与された。

アガラロフとトランプの関係は、変わった形で始まった。アラスの息子でポップ歌手のエミンは2月にフォーブスが行った単独インタビューで、自身の音楽ビデオの出演者として「世界で最も美しい女性を探す」ためにミス・ユニバースの運営組織に接触したと述べている。

トランプ大統領は当時、ミス・ユニバース運営組織を所有していた。エミンはミス・ユニバースの役員と面会後、さらに大きな野望を抱いた。同コンテストのロシア招致だ。

エミンによると、親子はトランプの招待で、2013年のミスUSA開催地ラスベガスを訪問。クロッカス・グループはそこで、同コンテストをロシアで開催する契約を交わし、親子は推定700万ドル(約8億円)のライセンス料を支払った。

「それが友情の始まりだった」とエミン。「(ドナルド・トランプは)父と連絡を絶やさず、数々の手紙を交換し、これまで非常に良い関係を築いている」。

両者はトランプが所有するゴルフコースなどの訪問を通じて親交を深めてきた。一時は、トランプ・タワーをモスクワに建設する計画さえあった。エミンはフォーブスに対し、このプロジェクトのため、ニューヨークで父アラスと共に同意書に署名したことを明かした。「トランプ・タワーをアガラロフ・タワーの隣に建設することは、本当にクールだと思った」

しかし、ドナルド・トランプが大統領選への出馬を表明し、モスクワのトランプ・タワー建設計画は棚上げになってしまった。しかしエミンは、「大統領選がなければ、現在は建設段階に入っていただろう」と2月のインタビューで語っている。

トランプ・オーガニゼーションは、両家の関係の言及には控えめだ。

同社広報担当は3月、フォーブスに対し「トランプ・オーガニゼーションは現在・過去において、ロシア国内の不動産を所有したことはありません。メディアの過熱報道は誤解を生むでっちあげです」と語った。また11日も同社にコメントを求めたが、回答は得られていない。

エミンによると、モスクワのトランプ・タワー建設計画の頓挫後も、アガラロフ家とトランプ家は連絡を取り合っている。大統領選後、父アラスと共にトランプに祝意を伝えたところ、トランプから手書きのメッセージが送られてきたとのことだ。

また、トランプの大統領就任時期にドナルド・トランプ・ジュニアともメッセージを交換したという。「出馬し、選出された今、彼が友人を忘れることはない」とエミンは語った。