最近、ローカル線で旅をする女性が増えています。忙しい日々のスピードとは真逆の、のんびりゆったりした速さのローカル線から景色を眺めるのが癒しになるのでしょう。7月1日から発売になった夏の青春18きっぷ(1万1850円)は1枚のきっぷで5回まで利用可能。特急電車には使えませんが、ローカル線を楽しむにはぴったりのお得なきっぷです。1人で1枚のきっぷを5回使ってもいいですし、5人で1回使ってもいい、1人で5回日帰り旅行をするのだってアリ、なのです。今回、堅実女子のための賢い使い方を、先日『おんな鉄道ひとり旅』を刊行した、漫画家のYASCORN(やすこーん)さんに伺いました。

まずは「青春18きっぷ」に慣れてみよう

--「青春18きっぷ」を使ってローカル線の旅をしてみたいのですが、どんな旅がいいでしょうか?

「今季の青春18きっぷは7月20日から9月10日まで使えます。基本的に、特急券が必要な列車は乗れません。つまり特急は乗れないけど、快速は乗れるんです。

例えば湘南新宿ラインや 中央線、常磐線の快速は使えますね。東京近郊在住でしたら、まずは無理をしないで東海道線で熱海を往復するのはどうでしょうか?これでも十分料金のモトはとれます。小田原でコッペパンを食べたり、温泉施設に立ち寄ったりと、日帰りで十分楽しめますよ。

また、上野東京ラインも使えます。横浜から高崎まで移動したり、宇都宮で餃子を食べたりするのもいいですね。漫画にも描きましたが、私は東京から宇都宮駅に行き、朝から餃子を食べ、大宮駅で駅弁を購入し、今度は東京駅を通り越して熱海方面に向かい、宇佐美駅で温泉に寄って帰るというコースを実行しました。青春18きっぷなら、この行程で、通常の運賃より5510円も安く移動できちゃうんです」

お得が好きな女性のみなさん、要チェックです!『おんな鉄道ひとり旅』より。

オススメの青春18きっぷで乗れる快速、座席指定券を買えば乗れる列車

さらに青春18きっぷでも、座席指定券(520円)を払えば乗れる列車もあるそうです。

「調べてみたら30くらいあるんですけど、私が実際に乗って堅実女子のみなさんにオススメできるのはこちらの列車です」

<YASCORNさんオススメの観光列車>

・八戸線 リゾートうみねこ 八戸〜久慈
・羽越本線 きらきらうえつ 新潟〜酒田・羽後本荘
・奥羽本線・五能線 リゾートしらかみ 秋田〜青森
・信越線 越乃Shu*Kura 上越妙高〜十日町
・氷見線・城端線 べるもんた 高岡・新高岡〜氷見・城端
・予土線 海洋堂ホビートレイン 鉄道ホビートレイン 窪川〜宇和島
・肥薩線 いさぶろう・しんぺい号 熊本・人吉〜吉松(ただし熊本〜人吉間のみ、今年特急になったので18きっぷでは乗れません。使えるのは人吉〜吉松のみ)

雨の日のオススメは越後湯沢

夏とはいえ、お天気の日ばかりではありません。雨の日の旅にオススメの路線があると、YASCORNさんに教えてもらいました!

「越後湯沢がオススメです!駅舎にぽんしゅ館越後湯沢店が隣接しているので、日本酒の利き酒、酒風呂、カフェなどがあって、充実しています。18きっぷは途中下車ができますから、そこから足を延ばして秘境駅と言われる土合駅に行くのもおもしろいですよ。この土合駅は日本一のトンネル駅で、地下70mの場所にあるんです。普段は谷川岳に登る人くらいしか使わない駅で、限りなく無人。ちょっとした冒険気分が楽しめます」

時刻表は読めなくても大丈夫?

--やっぱり鉄道旅をするならば、時刻表が読めないとダメなんでしょうか?

「私も最初の頃は時刻表を読めなかったんです。yahoo路線案内の<新幹線・特急を外す>で検索をして時間を確認したりしていました。時刻表が読めると、ルート変更の時に便利なんですよね。初心者さんには、まず青春18きっぷに慣れる→乗り換えに慣れる→時刻表を読めるようになる、というステップでいけばいいと思います。私自身、時刻表を読めるようになったのは最近なので、時刻表トリックを読み解いてるみたいで楽しくなってきました」

出会いはある!?

--ローカル線で長く移動していると、出会いがあったりしそうですよね!?実際ひとり旅をしてみて、そんな出会いってありましたか?

「列車旅をする人たちは、基本電車の中ではあまり声をかけませんね。駅や行った先で声をかけられることはありますが、基本的に車内って逃げられませんから、お互いに気を使っていて静かなものです。

駅や目的地では声をかけられることがあります。あ、ちなみに、ひとり旅女性に効果的な台詞は『写真撮りましょうか?』ですね(笑)。みんな、ひとりで撮影しているから、自分を入れて撮影できるのってありがたいんです。そこから会話を膨らませられるかどうかは、それぞれの力量次第ですけど。

青春18きっぷの旅だと、同じルートを回っている人がいることもあります。そんな時は、挨拶くらいはしますね。

鉄道旅に出会いがある、ではなく、私にとっては旅自体に出会いがあるような気がします。現地で知り合いができたり、友達になったりと、そういった旅ならではの出会いですね」

ローカル線のノスタルジーを感じて

YASCORNさんが鉄道旅にハマったのは、駅弁が最初の動機だったそう。その後、幼少期に転校が多かったため、かつて通っていた学校や住処を大人になってから全部見に行こうと思い、それを実行するのに鉄道旅がぴったりだったと言います。

「青森、仙台、松山、北海道、熊本、東京、千葉……かつて住んでいた所を巡ってきました。ローカル線のゆっくりとしたスピード感と、思い出のノスタルジックさが、より旅情を掻き立てられましたね」

働き女子もスピードダウンして、この夏はローカル線で「青春18きっぷ」旅に行ってみませんか?

YASCORN(やすこーん) 鉄道好きの漫画家、時々小説家。児童誌から鉄道誌まで幅広く活動している。漫画単行本は 『GOGO♪たまごっち!』シリーズ、初の鉄道ミステリー小説『のぞみ、出発進行!!』(共に小学館) ほか多数。『メシ鉄!!!』(集英社・ふんわりジャンプ)、『おんな鉄道ひとり旅』 (小学館・プチコミック増刊号)、『ヤスコーン☆の鉄道漫遊記』 (東洋経済オンライン)、 を現在連載中。7月10日に『おんな鉄道ひとり旅』の単行本が発売された。 HP→yascorn.com  撮影/坪内政美

最新刊『おんな鉄道ひとり旅』(小学館刊・552円+税)

『おんな鉄道ひとり旅』発売を記念して、神保町・書泉グランデで7月22日にYASCORN先生のトークショー&サイン会が開催されます。詳しくはこちらのURLをチェック!https://www.shosen.co.jp/event/57671/