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クルマのなかに薪ストーブが?今、海外ではこれまでのキャンピングカーのカスタマイズとまったく違う、VAN LIFEというムーブメントが巻き起こっている。果たしてVAN LIFEとは何なのか?日本にもやってくるのか?突如として誕生したクルマ業界の新しい潮流についてレポートします。

インスタ発で世界の遊びの達人が注目!



3.11以降、DIYで小さな家を建てる「タイニーハウス」や電気や上下水道に縛られない暮らしを模索する「オフグリッド」、極力モノを所有しないようにする「ミニマリスト」など、これまで日本には存在しなかった多様なライフスタイルを模索する人たちが増えてきた。衣・食・住・遊のすべてのジャンルにおいて、オルタナティブな方法を実践する人が次々と誕生しつつあるのだ。

そんななか、海外でクルマと暮らしに関する新しいムーブメントが芽吹きつつある。それがVAN LIFEだ。ぼろぼろのキャンパーバンを自分の手でウッディにカスタマイズし必要最小限の荷物だけ積んで暮らすという、まさに「タイニーハウス」であり「オフグリッド」で「ミニマリスト」なライフスタイルだ。もともとラルフ・ローレンでデザイナーとして働いていたフォスター・ハンティントンが立ち上げたウェブサイトを通じSNSで火がついたこのムーブメント、「#vanlife」というハッシュタグを検索すれば、個性的なインテリアを備えた世界各国のクルマを眺めることができる。

【インテリアのテーマはフォーキー&ウッディー】

ヒッピーやサーフカルチャーから派生した流れでもあるため、インテリアはあくまでオーガニック。ログハウス風の内装は狭くても居心地がいい。



キャンピングカーを新車で買えば軽く1000万を超えるけれど、中古のワゴンを手にいれて自分たちで内装をやればその10分の1程度の費用で済む。クルマを居心地の良い小さな家に作り変えて、気の向くまま気候の良いところに移動しながら暮らす。家ではないから不動産税もかからないし、土地に縛られないで済む。つまり、VAN LIFEは単なるキャンピングカーカスタムの1ジャンルではない。クルマというよりも、むしろ住と遊のオルタナ化というほうが近いだろう。

【基本はDIY!】

VANLIFEとは、自分の手で工夫を凝らし手間を掛けて居場所を作る行為だ。クルマのメンテも極力自分たちの手でおこない、内装も中古の家具を加工したりホームセンターで手に入る板材を使って作り上げていく。



日本でも少しずつVAN LIFEのテイストを取り入れたウッディな内装カスタムも見られるようになってきた。しかし、クルマの内装カスタムというよりも、ライフスタイルのカスタムにこそVAN LIFEの本質はある。

【日本でもできる!?】

日本では架装メーカーのRIWがいち早くウッディな古材の内装を取り入れたキャンピングカーを発表し、カーショーでも注目を集めていた。



はじめはおしゃれなキャンピングカーのカスタマイズとして日本でも根付きつつ、やがてオーナーの生活そのものまでどっぷりとVAN LIFEの世界に染まることを期待したい。クルマとの出会いが人生を変えるなんて、きっと一番素敵なヒトとクルマの関係なのだから。

【VAN LIFEについて深く知るには!?】

「単なるクルマのカスタムではなく、暮らし方の1ジャンル」といっても、なかなか理解しづらいもの。その世界観により深く触れてみたければ、VANLIFEの仕掛け人でもあるフォスター・ハンティントンが著した『VAN LIFE』の一読をお勧めしたい。実際のVAN DWELLERS(バンで暮らす人々)の豊富な写真から浮かび上がるのは自由で刺激的な暮らしぶり。西部開拓時代の幌馬車から連綿と続く、家とクルマが密接するアメリカ文化の最先端を知ることができるだろう。



※『デジモノステーション』2017年8月号より抜粋

文/廣田俊介 撮影/proyectomapa