by mrhayata

歩行者が安全に道路を横断する方法としては「信号を守って、横断歩道を渡る」というのがベストですが、年を取ってくると、幅の広い横断歩道では渡りきるのに一苦労する場面が出てきます。そんなときに役に立つ、信号を「ハック」して青信号の時間を延長してくれるアプリがオランダで開発され、テスト運用されています。

The slow lane: Dutch app allows elderly to 'hack' traffic lights | Cities | The Guardian

https://www.theguardian.com/cities/2017/jul/12/dutch-app-elderly-hack-pedestrian-crossings



オランダでは人口密度の高まりと、構成人口の高齢化が進んでいることから、2013年以降、6億ユーロ(約772億円)を交通システムの改善に投資してきました。その目玉政策の1つが、歩行者が安全に渡れるように、そして貨物車両が都市圏でスムーズに走行できるように信号の長さを調整してくれる「スマート信号機」の導入です。

オランダ南部の都市・マーストリヒトでは2017年6月から通常の信号機との入れ替えが始まっていて、年内にはオランダ国内で1250基の信号がスマート信号機になる予定となっています。

交通省の試算では、国内5500都市の信号機がすべてスマート信号機になったときの経済効果は、交通安全の実現や渋滞解消、二酸化炭素排出量削減などによって年間9000万ユーロ(約116億円)に上るとのこと。

そして、オランダ第6の都市であるティルブルフでは「スマート横断アプリ」のテストが進められています。開発したのは交通システム改善などに携わっているDynniqという会社で、現在、10名が実際に町中でアプリを使用してテストを行っています。

アプリはGPSとセンサーを利用して、ユーザーのいる場所の近くの信号の状態を確認。もしユーザーが渡っている信号が青信号の状態でアプリのボタンが押された場合には、青信号の時間を延長します。



by Benny Mazur

テスターの1人、Noud Rommenさんは71歳。長い横断歩道では青信号の間に渡りきれず、中央分離帯で信号が再び変わるのを待つことになり、悪いとはわかっていても車の流れた途切れた時を見計らって渡ることもあったそうです。しかしアプリを使うようになってからは、無理せず横断歩道を渡れるようになったとのこと。

Dynniqでは同様のアプリで、信号をもっと早く検知するサイクリスト向けのものや、信号の色を音声や振動でユーザーに伝える視覚障害者向けのものを開発しているそうです。

すでに、パトカーや消防車、救急車が信号に近づくと優先的に青になる仕組みは各国に存在していますが、ティルブルフでは同じように広域のネットワークを使って歩行者や自転車に優しい道路網を25年計画で作っていく予定となっています。

テスト内容は2017年秋に検証が行われます。ティルブルフ市議会で都市計画に携わるMark Clijsen氏によると、結果が良好であれば、2週間に1基のペースでスマート信号機への更新が行われる見込みだとのこと。

「スマート信号機」の導入と自動運転カーの導入が合わされば、都市圏の交通事情は想像もつかないようなものになるかもしれません。