【ソウル聯合ニュース】朝鮮戦争の際に、北朝鮮・咸鏡南道の興南から避難民約7000人を運んで命を救った米国の船「レーン・ビクトリー」を韓国に移す事業が本格的に推進される。
 現在、ロサンゼルス近隣の港に停泊し、歴史博物館として使われている同船を韓国に運び、平和の意味を確認する記念公園を作るための作業が進められている。
 「レーン・ビクトリー号の韓国引き渡し推進団」の団長を務めるユン・ギョンウォン氏は14日、聯合ニュースの取材に対し、「近い将来、レーンビクトリー号を韓国に移すための非営利法人を設立し、本格的な活動に着手することにした」と話した。
 推進団は2013年に結成されたが、これまで特別な成果を得ることができずにいた。だが同船に対する米政府の支援が終わり、維持が難しい状況にあることを知り、韓国での受け入れを再び推進することにした。
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月、米バージニア州にある国立海兵隊博物館を訪れ、朝鮮戦争中に起きた激戦「長津湖の戦い」の犠牲者を追悼する慰霊碑に献花し、興南からの避難民に自身の両親が含まれていたと話したことも同船の受け入れを推進する契機となった。
 文大統領は「67年前、米海兵は『知らない国、会ったこともない人』のため、崇高な犠牲を払った」として、「約10万人の避難民を救出した興南埠頭撤収作戦を成功させ、避難民の中には私の両親もいた」と説明。「長津湖の勇士らがいなかったら、興南埠頭作戦の成功がなかったら、今の私もないはずだ」とし、戦闘の犠牲者を悼んでいだ。
 また、「私はその2年後、ビクトリー号が運んでくれた巨済島で生まれた。長津湖の勇士がいなければ、興南埠頭撤収作戦の成功がなければ、私は生まれず、今の私もなかっただろう」と述べ、米国で大きい反響を呼んだ。
 推進団は政府と民間の支援を受け、同船を韓国に運んだ後、港に停泊させて周辺に平和記念公園を作り、平和の大切さを訴える教育の場として活用する計画だ。
 同船を停泊させるのは、当時、避難民を乗せて到着した慶尚南道の巨済市が有力な場所として検討されている。巨済市は2011年から同事業を推進していたものの、進展させることができずにいた。
 推進団は同船を韓国に運ぶために約50億ウォン(約5億円)が必要と推算している。
 同船とともに約1万4000人の避難民を輸送し、興南埠頭からの撤収作戦を成功させた「メロディス・ビクトリー」は世界最大規模の救助作戦を成功させた船として、2004年にギネス世界記録に認定されたが、1993年にくず鉄用として中国に販売された。 
 興南埠頭からの撤収作戦は1950年12月、韓国軍と国連軍が中国共産軍の介入により包囲され、興南港から10万5000人の軍人と9万1000人余りの避難民、車両約1万7500台、貨物35万トンを193隻の船で巨済に運んだ作戦だ。
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