最後方からチームを引き締めるだけでなく、ボールのつなぎの部分でも貢献したGK谷。U-17日本代表の正守護神の座は誰にも渡さない。写真:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

写真拡大 (全3枚)

 7月13日、U-17日本代表はU-17北信越選抜と練習試合(35分×2本)を行なった。同15日からの第21回国際ユースサッカーin新潟に向けて、同代表は11日から新潟県新発田市で合宿を張っており、その調整試合である。
 
 今回の代表活動でもGK陣で背番号1を託されたのは谷晃生(G大阪ユース)だ。190センチ・82キロと立派な体躯を持つ大型GKは、集中力高くトレーニングをこなし、出場した練習試合の1本目でも声を張り上げて最後方からチームを引き締めた。
 
 また、チームが「ボール保持」をテーマに掲げることもあって、ビルドアップにも積極的に参加。相手が前から積極的にプレスを掛けてくれば避難所となり、ボールがピッチを横断する際の橋渡し役にもなる。もちろん、縦へのパスも試みた。
 
 そんな谷にとって、U-17北信越選抜との対戦は「久しぶりの試合だった」という。「ユースでもU-23でもまったく試合に絡んでない。今はずっとトップチームで“練習”をしています」
 
 事前に調べていたG大阪U-23の出場記録では1〜4節まで90分プレーし、5〜11節までベンチ入りしている(7節はJ3のスケジュールの関係で試合なし)。ただ、その後はサブにも入っていない。その理由に合点がいった。
 
「今日の35分間をひとつのゲームと捉えて、どういう風に組み立てていくかを意識していました。そのなかで失点は避けたいと考えていたんですが……。リフレクションで自分の上を越えてのゴールだったんですが、あれにも対応できるようにならないと。
 
 自分発信でゲームを作りたいとも思っていて、ビルドアップにしっかりと関われたのは良かったですが、キックの質をもっと高めないとダメですね。課題が改めて分かったので、見直して改善したい」
 
 面食らうくらいに反省点が谷の口から次々に溢れ出てくる。
「今回はふたつ下の鈴木彩艶(浦和ジュニアユース)が呼ばれていて、同世代には大内一生(横浜FCユース)も青木心(JFAアカデミー福島U18)もいますから」
 
 昨年のU-16アジア選手権でもそうだったように、GKでは谷がこの年代のトップランナーであることに疑いはない。それでも油断や慢心などとは無縁。トップチームでの経験が生きている証拠でもある。
 
「(トップチームは)もう全然レベルが違いますよ。だから、トップの選手たちと一緒にトレーニングできるのは、すごく自分の成長の糧になっています。そこで余裕を持ってプレーできるようになれば、U-17なら楽に戦えるはずですし、先のステージにもつながっていくと思う」
 
 すべてを吸収して、前だけを向いて進んで行く。なぜ成長し続けられるのだろう。「U-16アジア選手権の時と比べて、リーダーシップを取るようになった」という高桑大二朗GKコーチの言葉を谷に伝えてみた。
 
「やらないで後悔するのは嫌なんです。『あの時にこうしておけば』というのを変えられるのであれば、例えば代表活動の場でもどんどん発言していきたい」
 
 悩むなら、行動に移す。そうして新たな武器を手に入れる。自分の地位を確立させる。きっとこれからも、逸材の歩みは止まらない。ひと回りスケールアップした姿を、10月のU-17ワールドカップでも見せてくれるはずだ。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)