ロジャー・フェデラー【写真:Getty Images】

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マレー&ジョコが故障で敗退、昨季休養のフェデラー「休息が必要な時はある」

 テニス男子シングルス世界ランキング5位のロジャー・フェデラー(スイス)はウィンブルドン準々決勝で同7位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に6-4、6-2、7-4でストレート勝ちを収め、4強進出した。一方、同1位のアンディ・マレー(英国)と同4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は故障の影響で敗退。かつての強さを取り戻しているフェデラーは、自身の“休養論”を明かした。米ESPNが報じた。

 フェデラーは、昨年のウィンブルドン準決勝のラオニッチ戦で古傷の左膝を痛めて敗戦。これをきっかけにツアー後半戦の欠場し、リオデジャネイロ五輪も参加せず、左膝などのリハビリに充てた。結果、全豪オープンで優勝を果たし、ATP1000の大会で2度優勝するなど、全盛期に迫る充実ぶりを見せていた。

 史上単独最多8度目となる優勝を目指す今大会も、いまだ1セットも失うことなくセミファイナルに進出。無敵の強さを見せている。芝の王者が覇道を突き進む一方、他の「ビッグ4」はすでに大会から姿を消した。

 準々決勝では大会前に臀部の痛みを訴えていたマレーが世界ランク22位のサム・クエリー(米国)に2-3で逆転負け、ジョコビッチ(セルビア)は同15位のトーマシュ・ベルディハ(チェコ)戦の第2セットに右肘痛で棄権。永遠のライバル、2位のラファエル・ナダル(スペイン)は4回戦でジレ・ミュラー(ルクセンブルク)と4時間48分のフルセットでの死闘の末に惜敗していた。

 フェデラーにとっても、3人の敗退は大きな出来事だったようだ。記事では、同情の念を明かしている。

「彼らが敗退したのは驚きだ」…経験者フェデラーが語る休養のメリットとは?

「彼らが敗退してしまったのは驚きだ。基本的にノバクはグランドスラムを欠場したことがない。不運にもこんなことが起こることが時間の問題とは言いたくはない。しかし、彼はここ数年、たくさんの試合をしてきた。彼にとっても、いずれかの段階で故障してしまうのは当たり前のこと。アンディにしてみても、プレーを続けることで事態が悪化しないことを祈るばかりだよ」

 昨季、「休養」という決断を下したレジェンドの言葉には、何よりの説得力があった。

 フェデラーは昨季序盤に左膝の内視鏡手術を受けた。ウィンブルドンでも力強いパフォーマンスを見せていたが、怪我の痛みには勝てず。過酷なツアーで蓄積した疲労や度重なる故障と決別するには、休養というリセットがハマったようだ。

「個人的には効果的だった。肉体と精神には休息が必要な時がある。30歳になってしまえば振り返る時が来るものだ。自分がどれだけテニスの試合をこなし、ここ数年に渡り自分の肉体に休養を与えてきたのか、そして、どれだけのトレーニングをこなしてきたのか。それは十分だったのか。やりすぎたったのか。全ては調整なんだよ」

 休養の恩恵についてこう語ったフェデラー。8月8日に36歳の誕生日を迎えるベテランの肉体は実際、悲鳴を上げていたという。

休養でフェデラーが手にしたもの…「普通の状態の選手に戻れた。自信も取り戻した」

「昨年はクレーコートシーズンを通じて練習がきつかった」と話した上で、こう明かした。

「グラスコートのシーズンは背中の問題で困難だった。フォアハンドやバックハンドのショットよりも膝の状態について、神経を注がなければいけなかった。今年は普通の状態の選手に戻れたんだ。戦術に集中することができている。私は休養し、フレッシュになった。自信も取り戻したんだ」

 故障に集中しながらツアーを過ごすことは、ショットの精度や戦術遂行度に悪影響を与える。そして、戦績を悪化させ、自信を失うという負のサイクルに巻き込まれることになる。

 しかし、フェデラーは休養によって、それらの問題を解決することに成功したのだという。

 ジョコビッチ、マレー、そして、ウィンブルドン3回戦敗退を喫した錦織圭もまた、今季は故障に苦しみ続けている。完全復活を遂げた偉大なる芝の王者の「休養のススメ」はどう響くのか。