母親と妹を殺害したとして逮捕されたニャンタキ(右)。かつての恩師たちが穏やかと称した青年に何が起こったのか。(C)Getty Images

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 イタリア・サッカー界に衝撃のニュースだ。イタリアの『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は現地時間7月12日、パルマの下部組織出身選手が、母親と妹を刺殺して、殺人の容疑で逮捕されたと報じた。
 
 逮捕されたのは、ガーナ国籍で21歳のソロモン・ニャンタキ。報道によると、11日の夜に自宅で43歳の母親と11歳の妹をナイフで刺し殺したという。25歳の兄が帰宅時に、血まみれの惨状を目にして通報したとのことだ。
 
 死亡推定時刻から携帯電話が繋がらなかったニャンタキだが、その後にミラノ中央駅で逮捕された。なお、本人は罪を認めているという。
 
 MFのニャンタキは、パルマがセリエAを戦っていた14-15シーズンにトップチームに招集された経歴を持つ。当時の指揮官だったロベルト・ドナドーニ監督(現ボローニャ)は、「穏やかで、寡黙な青年だった。本当に彼(の犯行)なら、何が頭をよぎったのか分からない」とコメントしている。
 
 ニャンタキは2015年夏にパルマのユースを去って以降、イタリア下部リーグの2クラブに在籍したが、大きな活躍はできず、今夏に無所属となっていた。ドナドーニ監督は「クラブの破産後、彼がどうなったかは知らない」と述べながら、衝撃の知らせに困惑している。
 
「最初に思ったのは、『なぜだ』ということだ。通常の精神状態なら、そのような行為をするとは想像がつかない。発作的に犯行に及んでしまったのだろうか」
 
 また、パルマのユースでニャンタキを指導し、現在は3部のカターニャで指揮を執るクリスティアーノ・ルカレッリ監督は、「言葉が見つからない。ソロモンは穏やかな青年で、とても寡黙だった。ハエも殺さないような男だった」と、さらにショックを隠せないようだ。
 
 また、ルカレッリ監督は、ニャンタキが鬱で苦しんでいたとも明かしている。
 
「1年間で2度、彼と話をした。私は彼の問題を知っていた。1年前にレーガ・プロ(3部)のクラブに彼を呼んだ。だが、15日間のキャンプ後に彼は去ることを望んだんだ。家族を恋しがっていた。私は、この知らせに打ちひしがれている」
 
 多くの若手と同様に、プロサッカー選手としての成功、また、セリエAという華やかな舞台での活躍を夢見ていたであろうニャンタキ。かつての指導者たちが「穏やかだった」と評していた青年に、何があったのだろうか。