CAから税理士に転身した矢島依子さん。著書『お金に愛される人は、美しい財布を使っている』のなかで、生きていく上で大切な、正しい貯蓄方法についての記述があります。

お金がない…と困窮する理由が間違った方法での貯蓄にあるとしたら……。まずは、お金との向き合い方から変えていく必要があるのかも。

「お金の出口」を明確に知る

「今月はなんでこんなにお金がないのかなぁ…」

誰だって一度くらい、ため息とともにこうつぶやいたことがあるはずです。「お金がない」という状態は、財布の中身が少ないことだと思います。けれど、お金がないという不安の根本的な原因は「お金がない状態」そのものではなく、「なぜ財布の中身が少ないのか?」という疑問から生じるもの。

その場その場で流されるようにお金を使ってしまい、自分のお金をコントロールできず、先行きが分からなくなるからこそ不安になるのです。お金が自分でコントロールできないから、反対にお金に振り回されてしまうのではないでしょうか。

そうならないためにも、自分のお金の出口を把握することが大事。中でも可視化しやすいのが家計簿です。と言いつつも、日々の忙しさから長続きしないと思う方もいるでしょう。そんなあなたのために、お金の出口を明確化できる3つの方法を紹介しましょう。

1. 家計簿アプリを利用する
最近、進化が著しいのがスマートフォンのアプリです。毎日使うスマホなら、ちょっとした空き時間に入力することができるので、うっかり「何に使ったか忘れてしまった」ということが防げます。

2. クレジットカードの明細を家計簿代わりにする
お買い物はなるべくクレジットカードを使うという方法も、家計簿をつける上ではとても楽です。できることならコンビニのような小さな買い物もクレジットカードで支払いたいものですが、混んでいるお店で利用するのは気が引けます。私の場合ですが、基準として2,000円以上のものを買う時は使用すると決めています。

3. ATMに行くタイミングと回数を決めてしまう
1週間にお金を数回引き出す人と、2週間に1度決まった金額を引き出す人、どちらがお金をコントロールしていると言えるでしょうか。足りなくなるたびにお金を引き出す人は、自分がいくら使ったか把握しにくく、そういう人に限ってコンビニでお金をおろしたり、時間外にATMに行くことが多いはずです。

今週末のお金の予測もできない人が、将来の支出を予測できるわけありません。

おすすめは、2週間に1回引き出す。引き出すタイミングが決まっているのだから、そこに合わせてざっくりと計画を立てて使っていけます。その期間は短すぎると窮屈だし、長すぎるとコントロールしにくい。だから2週間がちょうど良いのです。

お金は勝手に出ていくものではありません。使っているのは紛れもなく自分なのです。今、満足するお金が手元にないと感じるのであれば、それはこれまでお金が貯まらない生き方をしてきたということに他なりません。逆に言えば、生き方を変えればお金が貯まる、もしくはもっとお金に愛されるようになるはずです。

【point】
お金の使い方を把握すれば、自分の人生までが浮き彫りになる。

まずは貯金分を天引きする

お金が貯まらない…と悩んでいる人の多くが、お給料から家賃や光熱費、交際費などを支出して、残ったお金を貯蓄に回すと勘違いしています。「収入マイナス支出」でお金が残らないこともあるでしょう。残らなかったら貯金しなくても良いのであれば、「いくら使っても良い」のと同じこと。

これではお金も貯まりません。では、どうすれば良いのか?簡単です。毎月決まった金額を貯金に回せば良いのです。

おすすめは「天引き」する方法。お給料が振り込まれると、まずはその口座から毎月の貯蓄額を貯蓄用の口座に天引きされるように設定。そして、残ったお金をその月に使えるお金とするのです。天引きしたお金は、そもそもなかったものと考えて残りのお金で生活してみてください。

ただ1つ気をつけてほしいのが、天引きする金額に無理は禁物だということ。早くお金を貯めたい一心で、無理ある金額設定をしてしまうと、毎月の生活が苦しくなってしまいます。数ヶ月なら我慢できるかもしれませんが、長くは続かないでしょう。苦しくなった月末に貯金に手をつけて、パーッと使ってしまう人も珍しくありません。

よって、銀行のサービスである「自動積立定期預貯金」を使うのがベストです。申し込みをすれば、普通貯金の口座から毎月自動的に定期預貯金口座に振り替えてくれます。これなら、計画的にお金を貯められますね。

貯金は長い時間かけて行うからこそ喜びを感じられるもの。無理のない範囲で続けましょう。

【point】
「ここぞ」という時に必要になるので貯蓄は重要。

不安を埋めるための
「貯金」はやめる

私が税理士になると決めた時、CA時代から貯金していたお金を専門学校の費用に充てました。この貯金は、目的を決めて貯めたのかというと、じつはそうではありません。

「将来、何かあったら困るから貯金しなくては」、と思って漠然と貯めていたものです。多くの人は恐れと不安に意識が集中して、せっかく貯金をしてもその恐れが現実となり、貯めていたお金を使うことになってしまいます。

貯蓄する理由は「いざという時のため」という人は多いと思います。確かに職を失ったり、病気で入院することになった場合には、お金を持っているのと持っていないのとでは、状況が大きく変わります。

しかし、いくら貯蓄があったとしても、非常事態に完璧に対応できるかというと、そうではありません。もし職を失ったとしたら、仮に300万円の貯蓄があったとしても、食いつなげられるのはせいぜい1年程度。早急に収入を得られる方法を探さなければなりません。

私の場合は、何度も失敗しながら、最終的に税理士という資格を身につけることができたのが幸運でした。その時の貯蓄はなくなってしまったけど、お金を生み出すスキルを持っていれば、ある程度なんとでもなるものです。漠然とした不安で「貯蓄を目的にした貯蓄」をしてはいけません。お金はあくまで何かをするための原資として考えるべきなのです。

【point】
マイナスのエネルギーはマイナスの事柄
プラスのエネルギーは楽しい事柄への出費を引き寄せる

キャビンアテンダントから税理士になった著者。VIPや経営者などの豊かな生活を間近で見てきた彼女が気づいたのは、お金を持っている人は総じて「お金のルール」を確立しているということ。お金の使い方をもう一度振り返る意味でも必読の一冊です。