「日本のサービス品質は米国よりも高いが、価格には反映されていない」――。日本生産性本部が7月12日に発表した「サービス品質の日米比較」で明らかとなった。

調査は今年2月28日〜4月11日の間、米国滞在経験のある日本人と、日本滞在経験のある米国人それぞれ500人に実施。「宅配便」「ホテル」「コンビニエンスストア」など、対個人サービス29分野を対象とし、行政サービスを除いた28分野で分析結果を発表した。

日本人は「サービス提供の迅速さ」、米国人は「性能と見栄え」を重視

品質の高低は、日米のサービスどちらか一方を基準に、もう一方の国のサービスにいくら払っても良いか聞くことで測定している。たとえば、日本のホテルサービスについて、アメリカの同規模ホテルと比べどれくらい多く支払っても良いか問い、「より多く支払っても良い」分だけ「品質が優れている」とみなした。

その結果、日本人・米国人ともにほとんどの分野で日本のサービスの質は米国を上回ると回答。特に日本人の場合、大学教育、博物館・美術館以外の分野全てで、アメリカより品質が10〜20%高いと認識していた。アメリカ人も、宅配便やタクシー、クリーニングなど、日本の品質のほうが高いと評価する分野が多かったが、日米の品質差は1〜7%と小さく、差はあってもその差を大きいとは感じていないようだ。

サービス品質を評価する際に重視するポイントは、日米ともに「接客が丁寧」「正確で信頼できるサービス提供」が挙げられているが、日本人はサービス提供の迅速さを、アメリカ人は設備や道具の性能・見栄えを重視する傾向が強いなど、違いが見られた。

たとえば自動車整備を例に取ると、「迅速にサービスを提供してくれる」点を評価する日本人は39%いるのに対し、アメリカ人は12%、「設備や道具の性能・見栄えがよい」点を評価するアメリカ人が32%いるのに対し、同じ項目を評価軸として勘案する日本人は19%だった。

日本では高品質のサービスを提供しても、その分が価格に反映されていない

サービスの価格について、「日本のほうが低い」と思う分野は、日本人は大学教育やクリーニングなど9分野、アメリカ人はホテルや宅配便など15分野を挙げた。

2009年の調査で「日本のほうが価格が低い」と判断された分野は、日本人アメリカ人共に1つだけだった。調査を行った日本生産性本部は「多くの分野で日本の価格が相対的に低下した」と見解を述べる。

また、日本人の回答だけに着目し、日本のサービス品質と価格の関係を分析した。その結果、28分野中25分野で、アメリカのサービスより品質が高くても、日米の価格に大きな差はないことが分かった。つまり、日本のサービス品質の高さは価格に反映されておらず、日本の消費者は、価格以上のサービスを受けられている、ということになる。

安い値段で高品質のサービスを受けられるのは確かにありがたい。しかし、労働者の立場に立てば、高い品質のサービスを提供しても、その分が価格に反映されていないのなら、その分はただ働きしているようなものだ。

日本のサービスは過剰と言われることも多いが、今回の調査はそれを裏付ける結果だと言えるだろう。