遠い昔、ビル・クリントンはまだ大統領で、Amazon(アマゾン)は単に本が買えるWebサイトでした。でも今、Amazonはリアル店舗でやサンドイッチを売り、手頃なハードウェアを作り、人工知能を操り、さらにはスマートホームの出張設定サポートまで展開しているらしいです。そう、Amazonの社員がお客さんの自宅に行って、Echoやらスマート家電やらの設定をしてくれるっていうサービスです。

Recodeによれば、すでにそのサービスを米国の一部で開始しています。展開しているのはAmazonのおひざ元・シアトルや、テック企業が集まるサンフランシスコやサンノゼなど、米国西海岸の計7都市です。さらに今テキサスやフロリダ、ニュージャージーといったエリアでも「フィールド技術者」の採用がかけられていて、徐々に全米へと広がっていきそうです。採用情報を見ると、応募条件はこれまでにApple(アップル)のジーニアスとか、家電量販店Best Buyの出張設定サービスGeek Squadとかでの経験があることです。あとは多分、スマートホーム機器、特にAlexa対応のものについてある程度知ってる必要があるでしょうね。

このAmazonの出張設定サービス、おいくらくらいで使えるのかというと、たとえばAlexa対応サーモスタットのEcobee4の設定なら100ドル(約1万1000円)となっています。Amazonの他の商品と同様にポチっとすると、チェックアウト手続きの中で日程の予約ができるという流れです。
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Amazon、また大きくなるのか…と思われるかもしれませんが、Amazonはこの分野でまるっきり新参者というわけでもありません。彼らはもう何年も前から、ガジェットの設定から家具の組み立てなど、家庭で発生するちょっとした作業を請け負う業者のマーケットプレイスを運営してきました。また最近では、ユーザーがスマートホームデバイスについて無料で相談できるAmazon Smart Home Consultationも立ち上がっています。こちらもAmazon社員がユーザーの自宅に出向き、EchoのデモやらWi-Fiのつながり具合の診断やらをしたあげく、最後にはおすすめの買い物リストをつくってくれるというものです。サイト上には「買う義務はない」って書いてありますが、でもやっぱり、Amazonの大目的はユーザーにモノを売るってことなんですよね。

たしかにEcho自体は普及しているかもしれませんが、それを用いた「スマートホーム」とか「IoT家電」とか言われるものって注目度のわりにまだまだ普及してなくて、そのネックになっているのが設定の煩雑さだと思われます。EchoだけじゃなくGoogle HomeやiPhoneにもスマートホームのハブ機能はありますが、誰がメジャーかはまだはっきりしないなか、Amazonはそこで勝ちに行ってるのかもしれません。しかもAmazonの場合、AppleやGoogleと違ってハブだけじゃなく個々の機能、つまり照明器具とかサーモスタットとかの販売からも直接的な利益が生まれます。これからAmazon、スマートホーム市場を一気に開拓していくのかも…。

Image: Jeramey Lende/Shutterstock.com
Source: Recode, Amazon
Reference: BUSINESS INSIDER JAPAN, Amazon(1, 2)

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)