テミン(SHINee)、経験と才能が凝縮された“濃厚な時間” 武道館での初ソロ公演を振り返る

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 5人組人気グループSHINeeの最年少メンバー、テミンが待望のソロステージを開催した。7月1日、2日に渡って行なわれた『TAEMIN THE 1st STAGE 日本武道館』は、圧巻の仕上がり。初めてのソロステージとは思えない、完成された世界観に観客も思わず息を飲んだ。SHINeeとして培われた経験、そしてテミン個人の才能が凝縮された、濃厚な時間を振り返る。

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 スモークがかった会場に足を踏み入れると、そこには黒いセンターステージが。360°死角のないパフォーマンスを披露する、そんなテミンの自信を伺わせる。開演時間が近づくと、ファンが持つパールアクアグリーンのペンライトが輝き出し、幻想的な空間を共に作っていく。

 そして、いよいよ開演。センターステージの上部から4面スクリーンのボックスが降りてくると、そこに映し出されるのは、最新ミニアルバム『Flame of Love』のジャケットをはじめとした、美しいテミンのビジュアルたち。うつむき顔は長く豊かなまつ毛が影を作り、上を向いたときにはシャープな顎のラインに目を奪われる。彼の魅力を全て把握したチームによって、作りこまれたファーストステージであることを予感させる。スクリーンが上昇すると、多くのライトが出現し、まばゆいフラッシュと銃声音が。そして2丁のピストルを手にしたテミンが登場すると、観客から声援が湧き上がる。銃口を口元に寄せるセクシーな演出に、早くも会場は興奮の渦に。

 前髪が目にかかるブルーのヘアは、テミンの中性的な少年っぽさをより強調し、ストライプのジャケットスーツは、大きく胸元が開き肉体美を際立たせる。そして、タイトなパンツは繊細に動くステップをしっかり楽しめるようになっていた。「Danger」、「Guess Who」、「TIGER」と次々にハードなダンスナンバーを披露するテミン。汗が光り、息づかいが荒くなるほどに、彼の動きはキレを増していく。関節ごとに動きを変えていく器用さ、開脚ひとつとっても伝わってくる柔軟さ。激しく動いた次の瞬間には、ピタリと静止してみせるなど、テミンの体は自由自在に動く。まっすぐに立っている姿も神々しさを感じるほど、洗練されていた。

 3曲を披露し、暗転した会場に彼の呼吸音が響き渡る。そんな全力のパフォーマンスに対して敬意を表すかのように、観客からは「テミン」コールが自然と起こる。すると、「はははは」という照れ笑いと共に、ライトアップされるテミン。「みなさん、待っていてくれましたか?」と問う、彼の顔はフワフワな笑顔。先ほどまでの表現者としての厳しい眼差しとは全く違う素の表情に、ファンの心がとろけていく。

 「僕の初めてのソロステージへようこそー! いかがでしたかー?」全方位、一人ひとりのファンを見つめるように声を投げかける姿は、テミンの何においても丁寧な姿勢を感じさせる。「すごく緊張していました。でも、みなさんがさらに僕をもっと好きになってくれることを想像しながら準備しました」そう話すテミンは、実に堂々としており、初めてのソロステージを心から楽しんでいる様子が伝わってくるようだった。

 後半は、さらに1曲1曲の世界観をステージに創り上げる、芸術性の高いステージが待っていた。妖艶さを全面に押し出した「Sexuality」、天井にライトで水面が表現された「Drip Drop」、バックスクリーンの荒野の映像とテミンが融合するような演出が光った「Soldier」、そしてファンも一緒に歌う「Press Your Number」。会場が、歌の世界に染まっていく。なかでも観客を釘付けにしたのは、包帯で目と口を塞がれ、蜘蛛の巣にとらわれたように拘束された状態で歌い始めた新曲「DOOR」。テミンの表現力の幅広さに、驚くばかりだ。

 続くタイトル曲「Flame of Love」は、まるでテミンに羽根が生えたかのように、シフォン素材のブルーのシャツが美しい舞いを彩る。ハンドマイクでバラード曲「世界で一番愛した人」を歌い上げては、今度はその首元のドレープをフードのように被ると新曲「I’m Crying」を歌い上げる。これまでダンスで魅せてきたテミンの歌声が、今度は主役になって観客を魅了する。クライマックスの「さよならひとり」は、花びらのようなピンクの紙吹雪のなか、大熱唱。まさにテミンの才能が咲き誇った瞬間を目撃した、そんなステージだった。

 アンコールには、グランドピアノが登場し、ラフなカジュアルスタイルで弾き語りを披露。1stソロステージは、テミンが準備してくれた最高のフルコースかのよう。そして、アンコールは最後に運ばれた上質なデザートで心から満たされる贅沢な時間だった。新曲「いつかここで」曲名の通り、いつかまたテミンが趣向を凝らしたステージを魅せてくれることを期待している。(佐藤結衣)