マーシャル諸島ジャルート環礁の波止場にいる人々を捉えた写真。カメラに背を向けた女性は体形が似ていることなどから、世界一周飛行中の1937年に消息を絶った米国の女性飛行士、アメリア・イアハートとみられている(1930年代撮影、2017年7月6日提供)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】米国の女性飛行士、アメリア・イアハート(Amelia Earhart)が写っているとして先ごろ物議を醸した写真について、軍事専門家が12日、同氏が世界一周飛行中の1937年に消息を絶つ数年前に出版された日本の書籍に同じ写真が掲載されていることを確認したと述べた。

 この不鮮明な写真には、マーシャル諸島(Marshall Islands)の桟橋に座る白人女性とみられる人物が写っており、歴史番組専門チャンネル「ヒストリー(History)」のドキュメンタリー番組で放送されるや、世界的な関心が集まった。

 伝説的な米国人飛行士であるイアハートとナビゲーターのフレッド・ヌーナン(Fred Noonan)は1937年7月、世界一周飛行を試みていた最中に太平洋上で消息を絶っているが、この写真の公開をきっかけに2人の運命に対しては再び注目が集まっている。

 写真は、米首都ワシントン(Washington D.C.)の米国国立公文書館(US National Archives)で見つかった。この撮影日が記されていない写真について、同番組では、日本軍の捕虜となったイアハートとヌーナンが写っている可能性が示唆されていた。

 これに対して軍事専門家のマシュー・B・ホリー(Matthew B. Holly)氏はこのほど、写真の出所をたどった結果、イアハートが消息を絶つ数年前に出版されていた日本人写真家によるミクロネシア旅行記に、同じ写真が掲載されているのを確認したと述べている。

 ホリー氏は、日本の国立国会図書館デジタルコレクション(National Diet Library Digital Collection)で閲覧できる実際の写真には、米公文書館の写真とは違って日付が入っていることを指摘。写真が1935年にマーシャル諸島ジャボール島(Jabor Island)のジャルート環礁(Jaluit Atoll)で撮影されていることが分かるとした。

■「1935年に撮影、疑いの余地なし」

 ホリー氏はAFPの取材に対し、「写真が1935年に撮影されていることに疑いの余地はない」と明言している。

 書籍については「(日本の)船に乗って旅をしていた男性による写真集だ。内容は、サイパン(Saipan)島からヤップ(Yap)島、ポーンペイ(Pohnpei)島へと移動したとみられる旅行記で、後半にはマーシャル諸島で撮影された多数の写真が掲載されている」と語った。

 西太平洋に位置するマーシャル諸島の首都マジュロ(Majuro)在住のホリー氏は、同国で死亡した米国人兵士の身元および消息を絶った米航空機墜落現場の捜索に数十年を費やしてきた。

 写真にイアハートが写っているとの番組の主張に対しては、日本国旗や日本兵の姿がないことを引き合いに、同氏は当初から懐疑的な姿勢を示していた。

 イアハートとヌーナンは、パプアニューギニアのラエ(Lae)を飛び立ったのを最後に消息不明となった。2人が乗った双発機「ロッキード・エレクトラ(Lockheed Electra)」は、燃料切れのため孤島ハウランド(Howland)島近くの太平洋上に墜落したとの見方が有力となっている。
【翻訳編集】AFPBB News