By Frank Gruber

実業家であるイーロン・マスク氏が提唱し、2つの企業によって開発が進められている「ハイパーループ」構想の実現に向けたテスト走行がラスベガスの実験場で実施されました。この実験では実物大の施設が初めて用いられており、走行距離やスピードはまだまだ「序の口」といえる規模でしたが、実現に向けた第一歩と呼べるものとなっています。

We Made History Two Minutes After Midnight On May 12 | Hyperloop One

https://hyperloop-one.com/blog/we-made-history-two-minutes-after-midnight-may-12

今回の実験を成功させたのは、Hyperloop Transportation Technologies(HTT)と実現に向けた開発を競う企業「Hyperloop One」で、ネバダ州ラスベガスの広大な土地に長さ500メートルの実験用施設を建設して実物大の機材を用いた走行実験の開発を進めてきました。



テスト走行は2017年5月12日に実施されたとのこと。実際の様子は、以下のムービーの2分あたりから見ることができます。

Hyperloop One: Full Scale System Test 5-12-17 - YouTube

多くのスタッフが陣取る指令所。



エンジニアの「5、4、3、2、1、Fire」というカウントダウンとともに……



乗りものとしては聞き慣れない不思議な音をたてながら、テスト車両が加速していきます。



実際と同じ大きさの車両が加速したことで実験が成功、ということでスタッフは喜びの拍手。



別角度から見ると……



チューブの中を車台部分だけの車両が加速して行きます。今回の実験では車両は5.3秒にわたって走行し、最高速度は時速70マイル(時速約113km)に達したとのことで、加速度は2Gを記録したそうです。



車速が上がると、車両はレールから浮き上がって浮上走行に移りました。時速1000kmを超えるスピードを実現するためにハイパーループの車両は車輪を使わずに地面スレスレを「飛ぶ」仕組みになっており、今回の実験では実際に浮上できることが確認できた模様。



スピードが落ちると、車輪が接地して停車。



実物サイズでの走行実験成功ということで、Hyperloop Oneの共同設立者であるジョシュ・ジーゲル氏(右)は感極まった様子でスタッフとともに喜びを分かち合います。最終的には時速700マイル(時速約1126km)という超音速での走行を目指すハイパーループ構想において、今回の「時速70マイル」はまだまだ長い道のりを感じさせるものですが、まずは第一歩目を踏み出したというところなのかもしれません。



Hyperloop Oneが開発している車両は、カーボンファイバーとアルミの複合素材で作られる予定で、減圧されたチューブの中を超音速で走ることで、距離にして600km以上、飛行機でも全行程で1時間以上かかるロサンゼルス〜サンフランシスコ間を30分程度で結ぶとされています。