もうすぐ夏休み! 予算が少ないけれど、時間がたっぷりある…という海外の学生がよく利用するのが「Workaway」。世界中のトラベラーと働き手を必要とするホストをつなぐサイトで、基本、働くことで住居と食事を与えてくれるシステム。世界中から目的地を選び、ホストを検索してコンタクトをとるというシンプルな使い方も好評。

予算がなく、言語に壁があって、海外経験がなかった…そんな私が今、海外の人たちと一緒に仕事ができるようになったのは、大学の頃にこのサイトに出合い、かけがえのない時間を過ごすことができたから! そんな「Workaway」を利用した体験をレポートします。

ドゥルナウ in ドイツ

海外に一度も行ったことがなかった大学3年生のころ。夏休み前に、大学の教授からドイツでの「Workaway」を紹介されたのがきっかけで、夢の初海外デビューをすることに! 留学をしたかったけれど金銭的に諦めていたので、航空券のみ支払って1カ月も海外にステイできるのは最高のチャンスでした。英語に慣れていなかった当時、辞書を片手に、短文のメールを1時間もかけて、ホストとコンタクトをとっていたの覚えています。

ローカルに根付いた、特別な海外ステイ

期間:1カ月

予算:約7万円(1週間の観光、ホテル代、交通費)

ルート:ミュンヘン(2日)→ドナウ(3週間)→ミュンヘン(3日)

▼ドゥルナウってどんなところ?

かの有名な「黒い森」に位置する村。青い空とどこまでも続く麦畑、白い家を飾る赤やピンクの花々、丘の上でティータイムを楽しむ農家の夫婦という、映画の世界のような田園風景。一歩進むごとに感動があったのを覚えています。

ローカルに根付いた、特別な海外ステイ

仕事内容:干し草の収穫、ベリーなどの果物の収穫、牛の乳しぼり

滞在先は、DIYでぬくもりを感じる木でできたゲストハウス。参加メンバーのロシア、ナイジェリア、チェコ、フランスなど15カ国から集まった10代〜60代の人たち20人ほどと、一緒に働き、共同生活します。

▼1日スケジュールの例

7:00 起床。丘を見渡す屋外の長テーブルで、新鮮な空気を吸いながら朝食。牛飼いのおじさんが早朝に搾った牛乳をシリアルにかけて食べるのが美味しい!

8:00〜12:00 車にみんなで乗り込んで田園風景を走り、いざ農場へ! 農具で延々と干し草を集める。お腹がすいたら、木からリンゴをとってパクリ。ヤギたちが鈴の音を鳴らして遊んでいる光景に癒される。

14:00〜17:00 季節の果物の収穫。

18:00  ディナーは毎日、参加者が自国の料理をつくります。食後は誰かの部屋でパーティーをしたり、みんなで森へ出かけて星を見に行ったり。

▼オフの日

・アルプス登山&ロッククライミング

・近くの村の伝統的なお祭りを見に行く

・電車に乗って、古都ウルムを観光

・湖で読書&バドミントン

▼旅をして変わったこと

大自然に囲まれて生活することで、都会の自分をデトックス

見渡す限りの大自然に囲まれて農作業をしていると、その偉大さに感動し、改めて人間もその世界の一部なんだと感じさせられます。すると不思議と化学添加物の入った食品の味に違和感を覚えはじめたり、愛想笑いなど都会で身についた自分の中の不自然さがデトックスされ、本来の自分と向き合うことができました。

語学が通じないのはラッキー、心が通じる。だから宝物のような経験ができる

仕事の指示をされても、食卓の席でみんなが盛り上がっているときも、まったく英語が理解できなかった私。でも、それでも歩み寄ってくれる友達がいて、言語よりも相手に興味を持って近づくことが大切と感じました。ハードな炎天下の農作業中のちょっとした優しい行動を嬉しく感じたり、言葉に惑わされずに、心と心で触れ合ったからこそ、みんなと深い絆が生まれたと感じています。

シャイじゃなくなった!

電車に乗った隣の人と些細なことから話し始めて人生勉強になる話を聞くことも、度々あるヨーロッパ。同じ時間を過ごすなら、新しい人と出会って新しい発見をする!という合理的な考え。

言語の壁があっても、自分から好奇心をもって何か学ぼうと歩み寄れる人は素敵!とこの旅で感化され、帰国後も実践するように。そのおかげで、今とても大切な仕事や人とのご縁を逃しませんでした。

マヨルカ島&グラナダ inスペイン

大学4年生の夏。海外で働くことを決意し、就活をするも語学力がネックで何十回も面接に落とされてしまい…。気分転換に、夏休みに約6週間スペイン&モロッコへ1人旅をすることに。「Workaway」のサイトで夢の目的地マヨルカ島とアンダルシアのホストを検索し、約3週間後に出発。

ローカルに根付いた、特別な海外ステイ

期間:6週間

予算:約10万円(ホテル代、観光費用、交通費)

ルート:バルセロナ(2日)→マヨルカ島(2週間)→グラナダ(2週間)→モロッコ(1週間)→マドリッド(4日間)

▼マヨルカ島ってどんなところ?

スペイン王室の方々も、夏のバカンスを過ごす地中海に浮かぶ楽園。石畳の細い路地が情緒溢れる街並み、ビーチ、山など見所いっぱいのリゾート地。

マヨルカ島での仕事内容:ベビーシッター、家事

森の中のヴィラで暮らす、イギリス人とドイツ人のブルジョワ家庭で、4歳と9歳の子どもたちのお世話をしました。率直な子どもたちに「何言ってるか、分かんない」と英語を指摘されながらも、日々家族の団欒に混ざって学んだ単語をノートに綴った日々が懐かしい…。度々開かれるホームパーティーやお出かけを一緒に体験したことで、海外のマナーやおもてなし術、ヨーロッパ流の子育てを、2週間肌で学ぶことができました。

▼1日スケジュール例

7:00 起床。子どもたちと庭にあるプールで遊ぶ。

8:00〜12:00 掃除やお皿洗いなどの家事。

13:00〜18:00 家族と一緒にゴルフ場やフィエスタ、美術館にいったり、ホームパーティーを一緒に過ごす。

19:00 ディナータイム。家族の友達も集まって、みんなで団欒。

▼オフの日

・友達とビーチやクラブに出かける

・島にあるミロ美術館、ショパンが恋人と過ごした村バルデモサを観光

・フィエスタへ出かけ、朝までエネルギッシュに楽しむ!

▼グラナダってどんなところ?

アルハンブラ宮殿をはじめ、エキゾチックなイスラムの歴史が残る都市。バルを夜中まではしごする人々やフラメンコの音楽がどこからとなく聞こえてくるなど、熱気があふれる街。

ローカルに根付いた、特別な海外ステイ

仕事内容:アーモンドの殻割り、庭の手入れ、果物の収穫

グラナダから車で山を登ること約1時間。近所の家は徒歩30分という、本当に何もかもから離れた農家で、デンマーク人、アメリカ人の参加者、イギリス人のホストたちと過ごす。夜遅くまでテラスでワインを飲みながら語り合ったり、音楽を演奏したり絵を描くなどして、ひと夏を過ごした経験は、ヒッピーの楽園にいるようでした。

▼1日スケジュール

6:00 朝日を見るために起床。そして山のフレッシュな空気を味わいながらジョギング。たまに羊飼いが連れる羊の群れに遭遇することも!

9:00〜12:00 畑の手入れ。もしくはアーモンドの殻を金槌で割って実を取り出す作業など。

14:00 オリーブの木に囲まれたテラスで昼食。その後は暑くて作業ができないので、4時間休憩。ハンモックで読書をしたり、プールに浸かったり、森の中を散歩するなど自由な時間。

18:00〜21:00 果物の収穫。木からとったイチジクの瑞々しい美味しさが忘れられない。

▼旅をして変わったこと

「言いたいことを伝える」習慣がつくことで、積極的になる

到着時、乗り換えの飛行機を航空会の遅れで逃したものの、下手な英語で主張するのが恥ずかしくて言われるがまま買い直し。ただ、この旅で起こったすべてのミスが、はっきりと自分の伝えるべきことを伝えることができなかったということが原因だと気づきました。そこからは大きな声でシンプルに伝えるようにすると、周囲の人も一緒になって助けてくれたり、相手と友達になったりと、次第に状況が変わっていきました。はっきりと明確に伝えることを繰り返すと、コミュニケーションが楽しくなっていきます。

NOという習慣をつけることで、本当に人生が変わる

ベビーシッターをしていた時の家庭のママに、ご飯のときに「おかわり、いる?」と聞かれ、「ありがとう、でもお腹がいっぱいです」と答えたら、「頭の中が読めるわけがないから、NOかYESをはっきり言って。1人1人意見や気分があってあたりまえなんだから、NOということはいいことなのよ」と指摘されました。この日から、NOと言う習慣をつけると、妥協はせず、ストレートに自分の人生を歩めるようになったと思います。

人と人のつながりに年齢も階級も関係なし! 

グラナダで目にした、10代の少年が60代のホストと同じ映画の話をして自分の意見、何が素敵で何が好きじゃなかったかを同等に語り合う光景。先輩だから、上司だからと気を使いすぎると、せっかくの心と心でつながるチャンスを逃してしまいます。いろんな視点の人同士で意見を交換し、お互い学び合っていくことに意味があると感じ、それからは日本でも60代、70代の友達ができ、世界が広がりました!

「なぜ?」を考える癖がついた

現地でできたドイツ人の18歳の友達。毎日一緒に過ごして会話する中で、「この映画が好き」と言うと、「どんなところが?」、「具体的に?」とポイントをつかれ、「何が好き」よりも、「その好きなものについての自分の意見」を話すことのほうが大切と実感。そして、自分の意見を人と交換して、相手がそれについてどう思うか聞く、そんなシンプルなことが楽しく、前よりも人と会話をすることが大好きになりました。

ワディラム in ヨルダン

大学4年生の冬休み。何もない砂漠で長期間生活したらどうなるんだろう…?という素朴な疑問をもとに、自分への卒業旅行を兼ねてヨルダンへ一人旅。ペトラ遺跡、死海、イエスが洗礼を受けたと言われるキリスト教の聖地など、小さな国(北海道とほぼ同じ面積)に神聖な場所や自然が詰まっているヨルダン。さっそく「Workaway」で検索し、砂漠に住むベドウィン(アラブの遊牧民)のホストとコンタクトを取りはじめました。

ローカルに根付いた、特別な海外ステイ

期間:3週間

予算:4万円

ル―ト:アンマン(3日間)→ワディラム(2週間)→アンマン(3日間)

▼ワディラムってどんなところ?

ヨルダン南部のサウジアラビアの国境に近い砂漠地帯。広大な砂漠の荒野には、4000年前の岩の壁画を見ることができます。そして映画、「アラビアのロレンス」の舞台としても知られる名所です。

仕事内容:観光客がキャンプに来た時に、テントを張ったり食事の準備などをお手伝い

首都アンマンには夜に到着し、たまたま訪れたホステル。オーナー(砂漠出身)が、これから滞在する予定だったベドウィンと知り合いのようで、「セクハラおやじだからやめたほうがいい」と助言されてしまう…(泣)。急遽ホストをキャンセルし、オーナーの親戚の砂漠のベドウィンを紹介してもらい、そのキャンプで過ごすことに。

その後、アンマンからバスで約4時間、そこからさらに車で1時間走り、砂漠のど真ん中のキャンプに到着。メンバーはベドウィンの男性約15人、長の彼女のスイス人が1人。砂漠の荒野で、時計も携帯も曜日も忘れて自然のリズムに任せて生活をする。

▼1日スケジュール

8:00 テントに差し込む朝日で目を覚ます。みんなで紅茶を飲みながら団欒。

9:00  果てしなく続く砂漠を友達と散策したり、みんなでサッカーをしたり。

13:00 ランチタイム。地べたに座って、大きな鍋で豪快に煮た鳥や野菜の料理を、みんなで食べる。

14:00〜18:00 リラックスして、時間を過ごす。観光客が来た時には食事の準備の手伝い。

19:00 暑い昼と対照的に夜はグッと冷えるので、たき火を囲んで過ごす。そして、みんなで輪になってアラブの伝統ダンスを踊る。その後は4WDに乗り込んで砂漠をドライブしたり、星空や巨大な岩山を見に行ったり。

▼旅をして変わったこと

直感を信じることができるように

砂漠で人の温かさに囲まれて自然のリズムで生活する中で、研ぎ澄まされた直観力。こんな穏やかな生き方ができる世界があるんだ、と感じていると、モヤモヤとしていた就職活動の焦燥感が消え、その後直感で働きたいと思ったドバイでトントン拍子に就職が決まることに。旅中も道で出会ったラクダに乗った少年に直感でついていくと、大家族の団らんに家族の一員のように混ぜてもらえたり…など、いいことがたくさん起こりました!

人に親切にすると、自分がHAPPYに

これは、ヨルダンで出会った人みんなが口をそろえていうこと。お店に入ったらコーヒーやお菓子で招いてくれたり、道を尋ねると車で遠い距離まで送ってくれたり…。なんでそんなに親切なのか訊ねると、「人に親切にすると、神様が見ていてくださる。そして、神様は人間が大好き。だから、助け合うことは大切なんだ」と答えが。帰国後もこの経験を思い出すと、心が温かくなります。

「知識や経験を蓄えて豊かな人間になること」が幸せのカギと教えてくれた「Workaway」体験。

財布を無くしたり、山奥で迷ってオオカミに遭遇したり、飛行機を何度も乗り過ごしたり…そんな経験を通して言えるのが、「海に飛び込んだら、あとはもがいて必死に陸に出ようとする力が働く」ということ。問題を解決していくなかで新しい自分の一面に気付いたり、現地の人の優しさに感動するのも旅の醍醐味。きっと、帰国後にはもっと自信のある自分になっているかもしれません!

※すべての登録しているホストが安全とは限りません。利用する場合は、旅をする前にコンタクトをとってしっかりと見極め、自己責任で決めることが大切です。