眼鏡を愛用する人にとって、何より優先させたいのはそのかけ心地の良さ。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で著者の青山烈士さんが紹介するのは、格安眼鏡店が話題となる中、高値ではあるものの「最高のつけ心地」にこだわり多くのファンを獲得している眼鏡ブランドを展開する企業です。同社が決して割引せず定価販売にこだわる理由とは?

何を追求するのか

日本を代表する眼鏡ブランドを展開している企業を分析します。

● フォーナインズ(眼鏡の製造・販売) 

戦略ショートストーリー

実用性を重視する方をターゲットに、「最高の着け心地を実現することを追求する企業姿勢」に支えられた「掛けていてここちよい」などの強みで差別化しています。

こだわりを持ったブランドであることを雑誌掲載などにより伝えることで、来店を促し、店舗で純国産フレームの品質を体感してもらうことで、ファンを増やしています。

分析のポイント

何を追求するのか

フォーナインズのHPより引用↓

999.9(フォーナインズ)のブランド名は純金の品質表示に由来します。純金のインゴットに刻まれた999.9という数値には最高純度の品質という意味があります。私たちフォーナインズも常に眼鏡フレームとして最高純度の品質を追い求め、限りなく1000に近づく努力を日々繰り返していこうと考えています。

フォーナインズは、1995年の創業ですから、20年以上にわたって、最高純度の品質を追い求めていることになります。

この品質を追求する姿勢が、魅力的な商品を生み出し、魅力的な商品を生み出し続けることでブランド構築につながり、ファンが増えることにもつながっているわけです。

追求してきた品質(積み重ねてきた品質)は他社にとっては簡単に追いつけないことも意味しています。

今回のポイントであり、戦略上、重要となるのが、この「何を追求するのか」ということです。

戦略には、方向性として、大きく3つが考えられます。

一つ目が、「安さ」「便利さ」を追求する戦略二つ目が「商品・サービスの品質」を追求する戦略三つめが「顧客密着・カスタマイズ」を追求する戦略

これらのすべてを同時に追求することはできません。もし、三つを同時に実現しようとすれば中途半端にしか追求できない、つまり、差別化できないでしょう。

前回、「お得意様ばかり『えこひいき』でも、街の電気屋さんが儲かるワケ」でご紹介した「でんかのヤマグチ」は「顧客密着」を追求していますが、「安さ」や「商品の品質や品揃え」は追求していなかったですよね。だからこそ、激しい競争の中で、差別化を実現できているわけです。

もちろん、「顧客密着」を追求しているからといって、「商品の品質」を全く気にしないわけではありません。あくまでも、優先順位として、何が先にくるかということです。

追求することが明確であればあるほど、社内のメンバーが迷わなくて済みますので、力を発揮しやすくなります。何を追求するのかが、明確でないとあれもこれも手を出してしまい、力が分散されてしまいますからね。

今回のフォーナインズの事例からは改めて、戦略の重要性を感じました。今後も、日本を代表する眼鏡ブランドとして、品質を追求し続けるフォーナインズに期待しています。

◆戦略分析

■戦場・競合

戦場(顧客視点での自社の事業領域):眼鏡の製造・販売競合(お客様の選択肢):眼鏡メーカー各社が掛け心地(着け心地)を意識した眼鏡を展開しているようです。状況:国内のアイウエア市場規模は拡大傾向のようです。

■強み

1.掛けていてここちよい

頭の形にフィットする

→頭を包み込むようなテンプル(ツル)の形状軽く感じる

2.壊れにくい、錆びにくい

変形しにくい長く使える

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

「最高の着け心地を実現することを追求する企業姿勢と独自の技術・部品」

特許を取得している独自の部品「逆Rヒンジ」

→メガネのレンズがある前面部と耳にかけるテンプル(ツル)の部分とのつなぎ目の部品です常に眼鏡フレームとして最高純度の品質を追い求める姿勢

上記のような企業姿勢と独自の技術・部品が強みを支えています。

■顧客ターゲット

着け心地を重視する方実用性を重視する方、日常的に眼鏡をかける方

◆戦術分析

■売り物

「純国産の眼鏡フレーム」

「眼鏡を着けるここちよさ」を追求した形状パットは、肌との接触面を多くとり、掛け心地を軽くする設計になっています

■売り値

レンズ含めて約7万円〜

■売り方

「こだわりを持ったブランドであることを認識させることに注力」

定価販売フォーナインズ スピリットサポート

 →スキージャンプの葛西選手などのトップアスリートやチームにフォーナインズのメガネを提供することでサポートする取り組み「999.9 feelsun Instagram フォトコンテスト2017」を開催眼鏡選びの新スタイル「RESERVE DAY」

→「フォーナインズ 銀座並木通り Salon」では、火曜日と土曜日に完全予約制・完全貸切制で対応多数の雑誌に広告を展開

■売り場

フォーナインズショップとフォーナインズディーラーで購入可能

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: 「フォーナインズ」公式ホームページ

 

『MBAが教える企業分析』

著者/青山烈士(記事一覧/メルマガ)

本メルマガをとおして、ビジネスパーソンにとって重要となる企業分析能力を磨くことであなたの価値向上のお手伝いができればと思っています。また、これから社会人になる方には、就職活動で避けては通れない(面倒な)企業分析に役立てていただければと思います。テキストのみでなく、図表を用いてわかりやすさを大事にしています。

出典元:まぐまぐニュース!