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社内の会議で、取引先との打ち合わせで、あるいはビジネスレターで、誤った敬語や言い回しを使ってしまった経験はないだろうか。そこで本連載ではビジネスシーンで陥りがちな誤用表現などを取り上げていきたい。

○バイト敬語からの卒業

今回は、いわゆる「バイト敬語」について取り上げたい。言葉遣いは一度身についてしまうと、直そうと思ってもなかなか直らないもの。社会人になりたての頃など、バイト時代の口癖が職場で出てしまう、といったことも起こりがちだ。なおバイト敬語とは、サービス業界に特有の日本語表現。バイト用語、マニュアル敬語とも言われる。例えば、次のような敬語だ。

誤) 「こちら、本日のアジェンダになります。資料のほう、お手元にお揃いになりましたでしょうか」

社内会議における一コマを連想させるこの例文には象徴的なバイト敬語が含まれている。まず「〜になります」「〜のほう」といった言い方。こちらは断定を避ける、主体性をぼやかすバイト敬語。もうひとつは「お揃いになりましたでしょうか」で、主語を敬う尊敬表現「お〜になる」が誤用されている(揃うのは資料であり、尊敬の対象でないことは明らか)。

サービス業界では「禁煙席になります」「メニューになります」「デザートのほう、お付けしますか」「コーヒーのほう、お持ちしました」「メニューは、すべてお揃いになりましたでしょうか」のようなバイト敬語が頻繁に使われている。読者の皆さんも一度は耳にしたことがあるだろう。

正) 「こちら、本日のアジェンダです。資料は、お手元に揃いましたでしょうか」

国の文化審議会が示した「敬語の指針」では、敬語は相手に敬意を示す以外にも、「社会人としての常識を持っている自分自身を表現する側面がある」「自分自身の尊厳のためにも敬語は使われる」としている。正しい敬語は自分を高めるが、その逆もしかり。無意識のうちに自ら評価を下げることのないよう、学生時代に身につけてしまったバイト敬語からは、なるべく早く卒業したい。