日本のサービス品質、米国より10〜20%高い評価 比較調査で見える実態

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 質が高いといわれる日本のサービスは、日米それぞれの目からみた場合、どう評価されるのか。日本生産本部が12日、サービスの日米比較調査結果としてそれを示した。調査によると、日本のサービス品質はアメリカより高く、日本人とアメリカ人ともにそう感じている。しかし現実は、価格にその品質が反映されていない状況にある。

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 以前より日本のサービス業における労働生産性の低さは問題視されていた。その水準はアメリカの半分ほどだ。原因として、高品質なサービスが価格に反映されていない点が挙げられている。

 そこで、日本人とアメリカ人が日本のサービスをどう評価しているかを、対個人サービス29分野を対象に調べる運びとなった。実施したのはWebアンケート調査で、日本滞在経験ありの米国人500人、アメリカ滞在経験ありの日本人500人から意見を得た。

 結果、今回対象となった分野のほとんどで、アメリカ人と日本人ともにサービス品質は日本のほうがアメリカより高いと評価していた。ただ、日本人はアメリカの品質より10〜20%ほど高く感じているのに対し、アメリカ人は1〜7%ほど高いと感じたのみだった。

 さらに分野による評価の程度、また評価するポイントは日米で異なる。共通するのは、「接客が丁寧」「正確で信頼できるサービス提供」を評価する傾向にあるということだ。

 一方、上記に加えて日本人が「迅速なサービス」を重視するところ、アメリカ人は「設備の性能・見栄え」を評価する傾向にあった。

 他方、価格との関係をみていくと、25分野で、サービス品質がアメリカより高い割に価格がそれを十分反映していないことがわかった。なお、ここでも日米で評価するポイントは異なっている。

 宅配便やタクシー、地下鉄など運輸の分野において、アメリカ人はサービスの迅速さや設備の清潔さなどを評価する。だが日本人は、接客の丁寧さ、顧客への手助け、選択肢の多さなどの評価も重視する場合がある。

 コンビニや百貨店など小売りの分野では、日本人は接客の丁寧さ、アメリカ人は迅速なサービス、設備の清潔さを評価するとの回答が多かった。

 2009年に行った調査では、日米ともに対象となっていた18分野中17分野で日本のサービス価格がアメリカより高かったが、今回の調査では日本のほうが低くなっている分野が大幅に増えたのである。

 日本のサービス品質が高いのは疑いようもない。だが、それは価格につながらず、ひょっとしたら生産性の低下に影響している可能性もある。

 アメリカにはサービス品質に応じてチップを払う習慣があり、それは従業員の収入の一部となる。だが、日本にチップはなく、企業同士の苛烈な競争や「おもてなし」に象徴される労働意識を受けて従業員は働く。多大な人手や作業量を費やして顧客へサービスを提供し、そして日本人はそれに慣れ切っている。

 本調査では、日米におけるサービスへの評価の違いが浮き彫りになった。完璧主義な日本人と合理主義なアメリカ人という構図は安直だが、日本のサービス業にとっては示唆に富む調査だといえるかもしれない。