いつかプロ野球の始球式に出るのが夢だという山里愛(撮影:佐々木啓)

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今週紹介する選手は、山里愛。沖縄県出身で2011年にプロテストに合格したプロ6年目の26歳だ。小学生時代は、少年野球チームで活躍したという野球少女だった。今ももちろん野球ファンで、スターと言えば誰?と問われて出てきた答えが大谷翔平。いつかプロ野球の始球式に出るのが夢だという。

プロ合格から、レギュラーツアー、そしてステップ・アップ・ツアーと断続的に試合に参戦しており、2014年には、「山陽新聞レディースカップ」でステップ・アップ初優勝を果たしている。だがその後は、もうひとつ目立った活躍ができずにいる。同期のプロは、香妻琴乃、青木瀬令奈、福田真未など個性派揃い。谷河枝里子とともに、今年のステップ賞金女王争いをリードする福山恵梨もこの年だ。同期たちのように、もう一段ブレイクを果たしたい、それが山里のプロとしての現在地だ。
持ち球はフェードで、飛距離がさほど出るタイプではないが、ショットの切れ味を武器に、積極的にピンを狙っていくプレースタイルだ。自身もショットでスコアを作るタイプと自己分析する。後ろで結んだ長い髪と、167cmの長身で細身のルックスは、ティグラウンドに立つと、すぐに彼女だと分かるような華がある。本人は、勝ち気な性格というが、プレー中は朗らかで笑顔も多い、プロとして魅力のある選手だと感じる。
このコラムではこれまで、昨年にプロ合格したばかりの選手や、これから合格を目指す単年登録の選手を紹介することが多かった。まだまだ若手という印象のある山里だが、プロ6年目、26歳は、現在のステップ・アップ・ツアーでは、ややもすれば中堅選手にあたるだろう。未だに第一線で活躍する、47歳の鬼沢信子のような選手がいる一方で、女子ツアーの世代交代のスピードは恐ろしく速い。
3年後の自分は?という質問には「想像がつかない」という。ツアープロとして、あとどのくらい活躍できるのか。3年後にレギュラーで活躍しているためには、これから一層のレベルアップが必要になるだろう。今季も序盤は苦戦してきたものの、ここへ来て徐々に調子を上げてきている。ここからさらに上位に食い込んでいくには、三日間のうち、もうひと伸びする爆発力が欲しい。
取材時には、沖縄人らしい明るさと柔らかい受け答えが印象的だった。所属先の東京バスグループの公式LINEスタンプには、同社のキャラクター「バズゴリくん」に混じって、山里がスタンプとして登場する。おもわず、LINEスタンプにしたくなる選手というわけだ。ツアーで活躍すれば、ぐっと人気が出そうな雰囲気がある。まだ若く、ショットでもショートゲームでも伸びしろが感じられる。後輩たちの後塵を拝するのは早いだろう。これからの後半戦で活躍し、プロゴルファーとして躍進する未来が実現できれば、夢の始球式は現実になるはずだ。
文・コヤマカズヒロ/雑誌・WEB媒体にゴルフ記事を執筆。大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画した経験を持ち、ゴルフギアに関しては性能面はもちろん製造・流通まで幅広い知識がある異色のライター。国内外のツアー情報にも精通するが、現在はステップ・アップ・ツアーに要注目。ネクストヒロイン候補をプレースタイルやギア面から発掘することをライフワークとする"ステマニア"。

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