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マンションでの生活において重要な存在なのが、管理員です。

管理員といえばエントランス横の管理室で座っているというイメージが強いのですが、管理員の仕事の中で受付のような管理室内で済むものの割合は低く、

実際は館内の清掃やゴミ出しといった体を使う仕事がその大半となっています。

肉体労働者といってもいい仕事にもかかわらず、20代や30代といった世代の人はほとんどおらず、

どちらかというと“おじいちゃん”“おばあちゃん”といった年代の方がほとんどだと思います。

管理員が高齢者の仕事となっている理由は大きく分けると2つあります。

■「マンション管理員」に高齢者が多い理由その1:お金

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理由の一つはお金の問題です。

管理会社は契約に基づいて管理組合から毎月管理委託費をいただきますが、その範囲内で契約書に明記された業務を実施した上に利益も出さなければなりません。

委託費の減額要求が頻繁に出されるなど、管理に対する目が厳しくなっている状況下では管理員業務にコストをかける余裕はありません。

これから人生のピークを迎える20代や30代の方には、ちょっと厳しい金額であるため、既に年金も貰っていて、それほどお金の心配をする必要のない年代の方がうってつけなのです。

生活のために働いて金を稼がなくてはいけないという方を採用すると、必ず後でトラブルになります。

現在管理会社で一般的に取られている仕組みでは、管理室で現金を取り扱うことはないので管理費の着服という心配はありませんが、

管理員が居住者から金を借りたという事例は他社でちょくちょく聞いたことがあります。

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リタイアしてから家でじっとしているよりは外へ出て働いた方が体にいいし、酒もうまい!

年金以外に収入があれば孫におもちゃも買ってやれる。

管理員に最も向いているのはこういったタイプの方なのです。

当然のことながら業務も金額に見合った内容となっています。

■「マンション管理員」に高齢者が多い理由その2:コミュニケーション能力

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管理員に高齢者が多い理由の二つ目は不特定多数の人間を相手にする仕事であることです。

管理員はマンションに詰めているため、何か問題が発生した場合大半は管理員の所に持ち込まれます。

居住者同士のトラブルや管理会社に対する苦情などで、時には血相を変えて怒鳴り込んでくるようなこともあります。

この場合、主たる対応はフロントがやりますので、管理員に求められることは、その場を一旦うまく納めることです。

マンションは集合住宅ですので、そこで生活している人々は多種多様なタイプがいます。

トラブルを複雑化させないためには初期対応が重要で、相手のタイプに応じて謝るべき時には謝る、やり過ごすときにはやり過ごすといった使い分けが必要です。

そのため管理員にはある程度以上の人生経験がどうしても必要なのです。

■管理員は誰でも簡単にできるような仕事ではない!

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筆者は不動産業界で働いてきた中でこれまで何十人もの管理員と付き合ってきましたが、このような仕事に就くくらいですから皆さん基本的にはいい人ばかりでした。

そういったことからも管理員は居住者から気軽に声を掛けられるような存在なのですが、彼らは家庭内の問題には絶対に立ち入らないように教育されています。

以前、発生したストーカー事件に関連して「こういった問題はマンションに住んでいるなら管理員に相談すればいい」とテレビで言っていたコメンテーターがいましたが、管理員はそこまでの業務はやりませんのでご注意ください。

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管理員の採用はこれまで随分とやりましたが、いつも6〜7人面接してその内の1人を採用していました。

皆様がお住まいのマンションの管理員さんも、恐らくそのくらいの倍率を突破して採用された「選ばれた」方だと思います。

今後は違った目で見てあげるようにしていただけると幸いです。