7日、韓国・朝鮮日報は、かつて韓国の伝統工芸品や骨董品を売る店が並び、韓国らしさを味わえる場所として外国人にも人気だったソウルの名所・仁寺洞から、「伝統」が消えつつあると伝えた。写真は仁寺洞。

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2017年7月7日、韓国・朝鮮日報は、かつて韓国の伝統工芸品や骨董(こっとう)品を売る店が並び、韓国らしさを味わえる場所として外国人にも人気だったソウルの名所・仁寺洞(インサドン)から、「伝統」が消えつつあると伝えた。

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ソウル中心部の仁寺洞は、2002年に韓国初の「文化地区」に指定されたのを機に、週末には平均10万人が訪れる人気の観光地となった。趣のある中心通りには伝統の手工芸品専門店のほか伝統茶や韓定食を味わえる店が立ち並び、外国人が韓国らしさに触れるにも格好の場所だった。

しかし最近、通りに並んでいた古き良き店舗が次々と廃業に追い込まれているという。仁寺洞の伝統文化保存会によると、ここ5年で韓定食店80店のうち30店以上が廃業し、表具や筆のほか工芸品を売る店、画廊や骨董店が、いずれも半数近くまで減ったそうだ。原因は家賃の高騰。昨今では10坪当たりの賃料が700〜800万ウォン(約70〜80万円)にまで上がっているという。

昔ながらの店に代わって増えているのが、高いテナント料を物ともしないフランチャイズ店や、薄利多売型の中国産の土産店など。メーン通りを歩くと、コスメショップやコーヒー専門店、外食チェーン店、アクセサリー店などが軒を連ねる。

しかし2002年に制定された文化芸術振興法の「仁寺洞文化地区管理計画」では、仁寺洞の中心街では伝統文化関連推奨業種(骨董店、画廊、民俗工芸品店など)のみの営業が許されており、新業種の店舗は違法営業をしていることになる。仁寺洞地域全体では、11年の推奨業種503カ所・非推奨業1273カ所から、15年には各442カ所・1310カ所になるなど、非推奨業の増加が明らかだが、管轄自治体では「違法営業の取り締まりよりも伝統業種への支援が優先」とし、文化地区指定以降の15年間、一度も取り締まりを行っていないのが実情だ。

こうして「伝統」が見当たらなくなってしまった仁寺洞を訪れた外国人観光客は、「韓国の伝統の通りと聞いて来てみたが、だまされた感じだ」と話したそうだ。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「昔は通りごとに特色があったけど、ある時からチェーン店が増えて、どこに行っても同じに見える」「これは回復不可能。公務員たちも後の祭り状態だね」と消極的な意見を寄せている。

また、最近の韓国について「仁寺洞だけじゃない。恥ずかしい」「フランチャイズ帝国に突入した韓国は、個性と伝統の消滅が確実だ。生き残る道は金もうけの道だけ」と悲観的なコメントも多く寄せられた。

そんな中「国が買い取って集中的に管理できないかな?」「こういう地域の賃貸料を制限して、所得に対して税金を賦課できるよう制度を改善したら?」という解決策も挙がった。(翻訳・編集/松村)