今年上半期に韓国に入国した脱北者が、昨年同期比で約2割減少したことがわかった。

韓国統一省は12日、今年1月から6月末までに韓国に入国した脱北者は593人で、昨年同期の749人と比べ20.8パーセント減少したと発表した。

脱北者の韓国入国は、北朝鮮が大飢饉、「苦難の行軍」の真っ只中にあった90年代後半に激増したが、2011年に金正恩氏が最高指導者の座についてからは減少し始めた。2011年は2705人だったのが、2012年には1502人、2015年には1275人まで減少した。昨年は1418人で再び増加に転じたが、今年に入ってからはまた減少している。

韓国に入国する脱北者の減少は、必ずしも脱北者の全体数が減ったことを意味しない。

韓国や第三国を目指しての脱北ではなく、中国で数カ月から数年働き、カネを稼いで北朝鮮に戻る「出稼ぎ脱北」を行う人の方が多いからだ。

しかし、北朝鮮当局の国境警備の厳重さを考えると、中国に向かう人も減ったと考えるのが自然だろう。

警備の厳重さの一例として挙げられるのが、「発見すれば即時射殺せよ」という方針だ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)郡南陽(ナミャン)労働者区では昨年11月、住民2人が国境を流れる川を渡り、中国に脱北しようとしたが、国境警備隊に射殺された。事前警告なしに銃撃した兵士は、副隊長から表彰されたという。

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脱北の取り締まり強化に伴い、よりリスクの低い海上からの脱北が増加傾向にある。

今月1日には、平壌出身のエンジニアとその家族らが漁船に乗って韓国に亡命している。

しかし、地元の漁民でない限りは、地元当局から出港許可を得るだけのコネや財力が必要であるため、一般庶民にはハードルが高いのが実情だ。