芦田愛菜(AP/アフロ)

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 女優の芦田愛菜は今年、中学受験に挑戦し、女子学院中学と慶應義塾中等部という超名門難関校に合格を果たし、後者に進学したというニュースが話題を呼んだ。中学受験に挑む子どもを持つ親の多くが、芦田がどんな受験勉強をしていたのか関心を抱いているだろう。

「週刊新潮」(新潮社/2月23日号)は、芦田は小4のときに大手進学塾「早稲田アカデミー」に入塾し、受験本番となる小6の9月には、難関志望校別の「NNコース」の「NN女子学院」を選択し、1日10時間以上を受験勉強に費やしたと報じている。こうした報道も影響し、早稲田アカデミーの「ExiV校舎西日暮里校NN女子学院クラス」が注目されている。

 その早稲田アカデミーは、4月から芦田を起用した「天才はいない」というキャッチコピーの広告を展開している。

 そこで今回は、早稲田アカデミーの評判などについて、『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)などの著作がある教育ジャーナリストの中曽根陽子氏に話を聞いた。

 中曽根氏は著書『後悔しない中学受験 最新版』(同)のなかで、早稲田アカデミーの特徴を次のように解説している。

・早稲田実業学校中等部と早稲田中学校に抜群の合格者数を出している。
・近年は御三家(男子:開成・麻布・武蔵、女子:桜陰・女子学院・雙葉)や、慶應義塾の附属など、難関校の合格実積も上昇している。

 早稲田アカデミーは東証一部の上場企業だ。創業者の故・須野田誠氏が1975年、早大法学部在学中に学習塾を創業。自身が同大大学院を卒業したことなどから76年に社名を「早稲田大学院生塾」とし、以後は絵に描いたような右肩上がりの成長をなし遂げた。

●高校受験が評判

 進学実積は現在のところ、高校受験が評判のようだ。2001年には早慶附属高校の進学者に占める「早稲田アカデミー卒業生」の割合が1位を占めたほか、16年の開成高校合格者数は79人で、これも1位となった。中曽根氏が言う。

「中学受験における早稲田アカデミーは、同じ大手である四谷大塚の提携塾となっており、提携塾のなかで最大手という位置付けです。そのため基本的に、生徒は四谷大塚のテキストを使って勉強します。ただ最近は早稲アカオリジナルのテキストも使用されていますし、オリジナルのテストも実施しています」

 ちなみに四谷大塚は06年、大手予備校・東進ハイスクールを運営するナガセの傘下となっている。また、ナガセは早稲田アカデミーの株式も18.1%所有する筆頭株主だ。グループ企業とはいえないものの、ナガセを介して四谷大塚と早稲田アカデミーに強い接点が存在することは間違いない。

 SAPIXと早稲田アカデミーは、多様なコース・クラスを用意しているが、この2社は難関中学対策を主軸に据え、それをブランド化しているといえそうだ。

●授業は「私語の無い緊張感」

 早稲田アカデミーの象徴は、芦田も通ったといわれる「特別校舎ExiV」だろう。渋谷、西日暮里、御茶ノ水、たまプラーザ、新宿の5校しかなく、同社の公式サイトには「早稲アカが総力を結集して創った難関中高受験専門塾」と力の入った紹介が行われている。クラスは学力別で、平均15人前後。同社が誇る「エキスパート講師」が進路や家庭学習の指導にも責任を持つとし、授業は「私語の無い緊張感」を徹底させているという。

 とはいえ、早稲田アカデミーExiVに通えば自動的に成績が上がり、有名・難関中学に合格できるわけではない。

「大手4社はカリキュラムがしっかりしていますし、模試も受験者が多いので全体の順位を容易に把握できます。しかしクラス数が多く、一人ひとりに目が届きにくいという欠点もあります。率直に言って、成績下位のクラスだと単なる“お客さん”になりかねません。成績でクラスが上がったり下がったりしても動じず、競争心を燃やすガッツのあるお子さんに向いているでしょう」

 ちなみに今回、早稲田アカデミーに対して取材を申し入れたところ、芦田の所属事務所から「取材主旨など拝見させて頂きましたが発信するタイミングなど総合的に鑑みて、今回は見送らせて頂きます」との回答が寄せられた。

 このため、芦田が早稲田アカデミーに通っていたのかどうかは確認できなかったが、中曽根氏は次のように言う。

「早稲田アカデミーは柔軟なカリキュラムがセールスポイントのひとつです。芦田さんが自宅勉強を中心に据え、通塾は補助的なものにした可能性もあります。そのあたりに、非公表にしている原因があるのかもしれません」

 多くの親が、芦田の「合格体験記」を読みたいと思っているだろう。
(文=編集部)