というのも、昨今、Kリーグのアジア枠は主にオーストラリア人選手たち、それもDFたちが多くを占めてきたが、最近はやや頭打ちといった感も否めない。
 
 その一方で、高萩洋次郎らが作り上げた良好なイメージを、安田や和田らが引き継いでいる。これに阿部も加わっていけばKリーグにおける日本株も上昇するだろう。韓国のサッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のホン・ジェミン編集長も言っていた。
 
「日本人選手は基本技術がしっかりした土台があり、人間的にも誠実。食事など生活文化も近いので、ほかのアジア選手よりもチームへの溶け込みもスムーズだ。来季に活用するアジア枠の候補として考えているクラブは多いと聞いている」
 
『FourFourTwo KOREA』では昨年夏、Kリーグでプレーするすべての外国人選手を4段階で評価査定したことがあった。その中で最高級の「TOP RATED(最高の活躍)」という評価を受けた日本人選手は高萩洋次郎だけだったが、今季はもっとたくさんの日本人Kリーガーたちが高い評価を得られるようになることを、大いに期待したい。

文:慎 武宏(スポーツライター)
 
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。