トランプ大統領の長男が米大統領選中の昨年6月にロシア人弁護士と会ったことが問題になっているが、キッシンジャー元米国務長官は昨年2月3日にプーチン大統領に会い、帰国後の5月18日にトランプ氏に会っている。

ドナルド・トランプ・ジュニア氏が疑惑のメールを公開

ワシントン、7月11日のロイター電によれば、トランプ米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏は11日、昨年の米大統領選中にロシア人弁護士と会合したとされる問題を巡り、2016年6月3日付けの電子メールを公開したとのこと。

メールは、「トランプ氏の大統領当選に向けたロシア政府による支援の一環として、対抗馬だった民主党候補クリントン元国務長官に不利な情報を保有しているとされる弁護士との会合を、トランプ・ジュニア氏が快諾していたこと」を示している。

ロシア人弁護士の名はナタリア・ベセルニツカヤ。

仲介したのは広報担当者のロブ・ゴールドストーン氏。

ゴールドストーン氏は同メールで「ロシア政府のトップ検事が公文書に加え、クリントン氏に不利となる情報および同氏のロシアとの対応に関する情報をトランプ陣営に提供することを申し出た」としているが、ロシア人弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏は「ロシア政府とのつながりはない」と語っている。

ドナルド・トランプ・ジュニアとロシア人弁護士との面会に関してはニューヨーク・タイムズが最初に報道している。

トランプ家とロシアとの関係を仲介したのはキッシンジャー氏

2016年2月3日、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、ロシアのプーチン大統領の招聘を受けてロシアを訪問した。ロシアのメディア「スプートニク」が、ロシア大統領府ペスコフ報道官の発表として明らかにした。それによればプーチンは、「こうした機会を利用して、現在の国際政治問題や今後の情勢の展開に関して話し合うことは、非常に重要だ」と言ったとのこと。

帰国後の5月18日、キッシンジャーはトランプに声をかけ、自宅に招いた。

そして2016年年10月、元国家安全保障会議ロシア担当上級部長(ブッシュ政権時代の大統領補佐官)のトーマス・グレハム氏は「ロシアを封鎖することはアメリカの利益にならない」旨のスピーチをしている。

グレハムは、ほかでもない、「キッシンジャー・アソシエイツ」の常務理事なのである。

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)