思うところあって、養鶏をはじめました!

 ……ということだと話がおもしろいのだが、残念ながらちがう。正しくは「ふかそうち」。スマートフォン用ゲームアプリ『ポケモンGO』のアイテムである。

 かつてはゲーム雑誌で4コマを連載していたこともあり、よくゲームをした。その連載が終わったあとも遊んではいたが、さすがに加齢とともに視力への不安が増していき、プレイ時間は減少。2006年、『MOTHER3』のクリアを最後に、ゲームを卒業するかたちとなった。

 2012年にスマホを買ってからも、ゲームにはまったく手を出さなかったのだが、2016年の夏、つい「たまには流行りものでもやってみるか」と『ポケモンGO』をダウンロード。はじめての位置情報ゲームにたちまち夢中になり、お金をはらうことになった。

 ポケコインというゲーム内通貨を日本円で買うのだが、2400円→2500ポケコイン、4800円→5200ポケコイン、1万1800円→1万4500ポケコインと、まとめ買いすればするほどお得になっている。

 とりあえず、すぐ飽きるかもしれないし2400円分を買った。すぐなくなり、2400円追加。その後、4800円を2回購入。ああ、オレっぽい買い方だ……、という自覚がある。妻の伊藤は、最初にまよわず1万1800円分を買ったと聞いている。

 で、ゲーム内のショップで買うのが、歩いてポケモンのタマゴを孵化させるために使う「ふかそうち」(ポケコイン)なのだった。他のアイテムも買うが、ふかそうちが圧倒的に多い。

 ネットの情報をもとに、知らない公園などに遠征してポケモンを捕る行為はとても楽しかった。同好の士がたくさんいることも新鮮なおもしろさだった。

 が、さすがに2017年に入って熱はさめてきて、ポケモンのコンプリートはぜんぜんまだなのだが、どうしてもそれを達成したい、という熱意は消え、やめどきを探しているかんじ。ポケコインも尽きたが、もう購入はしていない。

 ポケモンを捕る、自分のアバター(分身)は、女の子にしている。男キャラの顔や尻など見たくないからだが、娘の友だちの男子に画面を見せたらおどろかれた。

「ヨシダさんは男なのに、なぜ男じゃないの!?」

 実に幼稚園男子っぽい反応で、感心した。

「これはおじさん自身じゃなくて、ポケモンを集めるために雇っているバイトのおねえさんだから」と説明したら、あいまいな表情でうなずいていた。

 そのバイトの子にはさすがに情が移り、夏っぽいさわやかな服に着せ替えてやったりしながら、細々と狩りを続けている。これを男キャラにしておけば、適当なところできっぱりやめられたかもしれないなあ、などとちょっと考える。

よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 1989年に連載開始の『伝染るんです。』が国民的大ヒット。『火星田マチ子』『ぷりぷり県』など著作多数。2015年、第19回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。近刊に『おかゆネコ7』『まんが親5』(ともに小学館)、絵本『走れ!みかんのかわ』(河出書房新社)。妻のマンガ家・伊藤理佐さんと小学2年生の娘を育て中

※本誌連載では、毎週Smart FLASH未公開のイラストも掲載
(週刊FLASH 2017年7月18日号)