「ウタアシビ2017夏」の追加公演を開催した城 南海(撮影=石田寛)

 奄美大島出身の歌手・城 南海(きずきみなみ)が9日に、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで全国ツアー「ウタアシビ2017夏」の追加公演を開催した。シークレットゲストとして奄美大島の先輩でもある歌手の元ちとせが登場。「ワダツミの木」を二人で熱唱し観客を魅了した。

 暗転したステージの中、城が姿を現すと、拍手の嵐が。そのままイントロが始まっても、鳴り止まない拍手。そのあたたかい祝福に、涙ぐみながら歌い始めた1曲目はデビュー曲「アイツムギ」。実は今回、体調を崩して数日間の休養をとっていた城。追加公演の開催も一時は危ぶまれたが、無事に回復し、このステージに立つことができた。その姿に対してか、1曲目が終わってからも、会場は割れんばかりの拍手が。

 「歌い出しから泣いちゃったのは初めて。皆さんにご心配おかけいたしました。こんなあたたかい拍手に包まれて、幸せです」と、あたたかく迎え入れてくれたファンへの感謝の気持ちを切々と伝えた。

 そして続く「誰カノタメニ」では力強い歌声と溢れる感情で、一気にファンの心を引き込んでいった。

 その後、夏の季節にも合う「蛍恋」、「いつか星になる」、そして7月19日発売の最新シングルのカップリング曲「未完成の世界」と、このツアーでは初披露となる曲を立て続けに披露。

 今回のツアーは“ルーツ&和”がテーマになっており、ドレスに着物の帯をあしらえた和モダンな衣裳で登場。テレビ東京『THEカラオケ★バトル』では番組最多となる10冠を達成し“絶対女王“と言われている彼女が「クラシック・民謡で育った私が、J-POPの歌い方を悩んでいた時に、どうやって歌に気持を込めるかを勉強した、私の原点に帰れる曲です」と「友達の詩」(原曲:中村中)のカバー曲を披露した。

城 南海と元ちとせが熱唱(撮影=石田寛)

 そこからはシークレットゲストとして奄美大島の先輩でもある元ちとせが登場し、「ワダツミの木」を二人で熱唱すると、会場の盛り上がりも最高潮に。「中学校1年生の時に、ちとせ姉ちゃんがデビューしてみんなで聞いて、そしてみんなに夢を与えてくれて、私が歌を目指したきっかけといっても過言ではないです」と、城南海のルーツにも迫る大先輩と、まさに彼女たちのルーツとなるシマ唄で、会場には島の風が吹き抜けた。

 続いてスペシャルゲストとして、デビュー当時から親交があり、城南海自身、音楽の父と崇めていている音楽プロデューサーの武部聡志が登場。「私が初めて歌詞を書いた曲で、武部さんと二人でレコーディングしました」と「紅」を二人で奏で、まるでピアノと声の息遣いが聞こえるような緊張感包まれた会場。

 続いて、武部聡志のラジオ番組出演がきっかけでカバーが実現した「やさしさに包まれたなら」(原曲:荒井由実)で和んだ後、7月19日発売のシングル「あなたに逢えてよかった」へ。「この曲は僕にお声がけいただいて、本当に嬉しかった。いい歌になったと思うし、これから10年20年歌い継がれていく曲になると思う」と武部聡志の言葉に、城南海も「武部さんと今回こうやってご一緒させていただいて、本当に嬉しかったです。何をテーマにしようかと考えた時に、みなさんとの出会い、そして私のルーツにそって作ろうと思いました。皆さんの心に届いてほしい、大事な人を想って聞いてほしいです。みなさんへのありがとうの気持ちを込めて歌います」とこの曲への想いとともに、ファンはもちろん、これまで出会った人への感謝が歌を通して会場に満ち溢れた。

 そして最大限の感謝の気持ちを奄美の方言であらわした「祈りうた〜トウトガナシ〜」で本編は幕を下ろす。

 アンコールでは、白いワンピースのドレスで再登場。高校では音楽科でピアノを専攻していた彼女の音楽的ルーツに触れる「会いたい」(原曲:沢田知可子)のカバー曲をグランドピアノでしっとり弾き語った。

 そして武部聡志が再登場。城は「この曲は武部さんに作曲・編曲、そして演奏もしていただいて、作詞は一青窈さんにしていただきました。この曲で、東日本大震災の被災地に行かせていただいて、音楽のパワーというものを改めて実感しました。歌の原点を教えてくれたこの曲を最後に聞いてください」と、最後に「兆し」を披露して、この追加公演の幕を閉じた。

 なお、16日には、今回のツアーの最終地として、城南海のルーツである奄美大島で公演を迎える。