相撲の土俵には欲しい物が何でも埋まっている?本当に埋まっている物は何?

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土俵の下には銭が埋まっている!?

相撲の世界と言えば、厳しい稽古がつきものです。昔は新弟子を鍛える時に、「土俵の下に欲しい物が何でも埋まっているぞ!」と鼓舞したのだとか。それを聞いた新弟子が、夜中にスコップで部屋の土俵を掘り起こしていたという冗談のような本当のような話もあるのだから、驚きです。

新弟子が掘り起こしたくなる相撲の土俵の下には、本当にお宝が埋まっているのでしょうか?

実は、そこには神聖な「神様への供物」が埋められているのです。

土俵に神様を呼ぶための儀式「土俵祭り」

相撲中継などで私達が見る土俵は、神様が降りてくる神聖な場所です。本場所が行われる15日の間、あの土俵の上には神様がいるのですが、土俵を作っただけでは神様は不在。神様に降りて来て頂くための儀式が必要で、その儀式を「土俵祭り」と呼びます。

「土俵祭り」は本場所が始まる前日の朝10時から、相撲協会の幹部・行事・呼出しなどが土俵の下に集まり、30分くらいかけて行われます。神主に代わって行事が祭主となり、神霊が乗り移るための「依代(よりしろ)」を土俵に立て、酒を土俵にまいて清め、行事が「祝詞」と「故実言上(こじつごんじょう)」を読み上げるなどの儀式が続きます。

続いて、土俵上に神様への供物を埋める「鎮め物」という儀式も行われます。米、塩、昆布、するめ、榧(かや)の実、かち栗を白い素焼きの小皿に入れ、その上から同じ器をかぶせて挟んだ物を、更に奉書紙に包んで巻き、15センチ四方の穴に収め、上から御神酒をかけてから土をかけ、固くなるまで叩きます。

儀式の最後には、呼出しが「清めの太鼓」を叩いて土俵を3周回ってから、町へ出て行くのが習わしです。興行の宣伝のために町へ出て行くため、これは「ふれ太鼓」とも呼ばれています。

土俵祭りは本場所だけでなく、相撲部屋を新しく立ち上げる時や、部屋の土俵を新しくする時にも行われます。神様が降りてこなければ、土俵は本当の意味での土俵にはなりません。「女性は女将さんといえども、部屋の土俵にすら上がれない」というのも、元々は神道の考え方によるものです。

そんな神聖な土俵で、新弟子達は出世を夢見ながら、日々の厳しい稽古に耐えているのです。「大金が埋まっている!?」と淡い期待を抱いて土俵を掘り返したら、そこに埋められていた神様への供え物を掘り当て、愕然とすることでしょう。