Image: Paul G. Allen School/YouTube
基盤に話しかける姿はちょっとシュール


新しいデバイスが生まれるかも。

ワシントン大学のコンピュータ科学・工学の研究施設、Paul G. Allen Schoolの研究者たちが製作した「バッテリーが必要無い電話」が話題になっています。極限まで消費電力を落とし、周囲の無線信号と光を電力変換して動くというこのデバイス、バッテリー無しで本当に声の送受信ができているんです。


Video: Paul G. Allen School/YouTube


ワシントン大学の公式ブログでは次のように発表されています。

(従来の携帯電話のようにバッテリーから電力を受け取るのではなく)今回の電話は周囲の無線信号もしくは光から必要な数マイクロワットのエネルギーを取り入れます。研究チームはまたこのバッテリーの無い電話を使いスカイプに接続し電話をかけるデモンストレーションを行ないました。一般に店舗で販売されている部品を利用して作られたこのプロトタイプが、音声の送受信ができ基地局とコミュニケーションができることが示されました。

このバッテリー無し携帯電話を実現するために研究者たちは「何を携帯から削除しないといけないか」を考えたとのこと。その中でも「これを携帯でやらせようとしたら絶対にバッテリーが必要だ」と結論が出たのが、アナログ信号とデジタル信号の変換プロセス。これを削除するために研究者たちが注目したのが、人の声がマイクに向かって話されたとき、もしくはスピーカーから出てきたときの細かな振動でした。

アンテナがこれらの部分に取り付けられ、振動を基地局から送られるスタンダードなアナログ信号へと変換してくれる仕組みをデザインしたそうです。これによって電力をほとんど使わずに音声をアナログ信号に変換することが可能になりました。音声を受け取る、つまり相手の声を聞くときはこれを逆方向に行なうことで、音声が再生されるそうです。現時点のプロトタイプでは送信と受信のボタンを押して切り替えながら利用する必要があります。

ほえー、です。上のデモンストレーション・ビデオをご覧になるとわかりますが、音質はやはり悪いものの、会話はできるレベル。こんなことが可能なんですね...。

共著者であるVamsi Tallaさんはワシントン大学のブログで次のように述べています。

将来、すべての電波塔やWiFiルーターに、私達が開発した基地局テクノロジーが埋め込まれているところが想像できる。すべての家庭にWiFiルーターがあって、そうするとどこでもバッテリー無しの携帯電話での通話ができるようになるかもしれない

バッテリー問題と言うと電池の性能の向上ばかりを考えていましたが、バッテリー無しで動くデバイスを開発するというのも今後のトレンドとなるのでしょうか。


Image: YouTube
Source: UW Today, YouTube via TNW

(塚本 紺)