(大紀元)

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 春秋時代のお話です。宋という国に宋景という君主がいました。当時、この国では珍しい天象が観測され、人々は天変地異が起こるのではないかと非常に心配していました。宋景は天文学の専門家である子韋(しえい)を宮殿に呼び、天象を占うよう命じました。

 子韋は言いにくそうに、口を開きました。「王様、これは王様ご自身に災難が降りかかることを暗示しています。災いをなくすことはできませんが、せめて他の人に移すことはできます。宰相の身に移してはいかがでしょうか」

 宋景は首を振りました。「宰相は非常に才能があり、国にとってなくてはならない人物だ。災いが消えぬなら、私が死をもって国を助けよう」

 「それでは、一介の百姓の身に移してはいかがでしょうか。それでも、災難を回避することができます」

 「庶民を殺すなど、君主である私にできると思うのか?それなら、私が身を持って災いを受ける」

 「それでは、農作物に移すこともできます。来年は凶作とするのはどうでしょうか」

 宋景は、青筋を立てて怒りました。「もし凶作となれば、人々は飢えで苦しむではないか。自分が助かるために人々を殺すなど、私は君主でいられるはずがない。きっと、私の命は尽きる運命なのだ。これ以上、何も言うな」

 すると、子韋は微笑みながら、ひざまずいて宋景に言いました。「王様、心よりお祝いを申し上げます。天は、王様の慈悲のお言葉を3回聞きましたので、3回の善報を授けて下さいます。王様の命は21年間、延ばされるでしょう」

 その日の夜、不吉だった天象が変わりました。そして、宋景の寿命も子韋の予言通り延長されたのです。

 中国には、「天・地・人」という言葉があります。天象の変化は、国と人の運命を暗示しているのかもしれません。しかし、人間の意志で天象を変え、未来を変革することも可能なのです。

(翻訳編集・郭丹丹)