広東省仏山市にオープンする「仏山三水新動力広場(ぶっさんさんすいしんどうりきひろば)」(写真:イオンの発表資料より)

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中国に進出する日本企業の明暗が分かれるなか、大手スーパーマーケットチェーンのイオンが、7月14日、広州近郊の仏山市に大型店を新たに開業することを発表した。場所は、仏山市の三水区という大型都市開発が進む地区。昨今、先進国化する30代から40代のファミリー層をターゲットに、彼らのニーズに適した新たなショッピング空間を提示する。

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■巨竜中国市場で、イオンが吠える!

 近年、中国の中間層、富裕層の増加、そして何より、価値観の先進国化は顕著だ。一方で、人件費の上昇、為替の変動など、昨今の中国の市場変化は激しく、成長率の鈍化も目につく。元来の中国政府の性格や、国民感情も相まって、かつて諸手を挙げて中国に進出した多くの日本企業の中でも、尻尾を振って逃げ帰ってくる企業は後を絶たない。

 そんな中、大手スーパーマーケットチェーンのイオンは、中国市場で健闘している。大型店である総合スーパーを50店舗(香港を含む)も保有。イオングループ全体での店舗数は、436店舗(2017年2月28日現在)にも上る。この数字は、イオングループの海外店舗4107店舗(2017年2月28日現在)の中の1割。中国の市場規模とかつての中国ブームからすれば、少ない気もするが、他に海外出店数が多い国は、韓国、フィリピン、タイなど、政情、市場環境が穏やかな、古くからの資本主義国ばかり。これを考慮すれば、十分多い数字だ。

■イオン新店で中国中間層のハートをキャッチ

 そんなイオンが、新たな総合スーパーを中国屈指の都市圏広東の仏山市に開業する。広東省仏山市は、スヌーピーファンの聖地としても知られ、公式公認のピーナッツのテーマパークも存在する大都市だ。店舗が出店する三水北江新区は、商業施設、オフィス、住宅施設が集中し、大型都市開発も進む、成長著しい地域。新店は、広東イオンが運営する15店目の総合スーパーであり、香港を含んだ中国全体では51店舗目の総合スーパーとなる。

 施設自体は、中国資本運営のショッピングセンター「仏山三水新動力広場(ぶっさんさんすいしんどうりきひろば)」。この中の核店舗として、「イオン仏山三水新動力広場店」をオープンする。地域の特性に合わせ、30代から40代のファミリー層を意識した店舗作りがなされるとのことで、リーズナブルかつ、高品質な食品売り場やバラエティ豊かなグルメ、マタニティーブランド「犬印本舗」などを中心に、工夫した店作りが計画されている。

 新店における食品市場のコンセプトは、“お客さまの冷蔵庫代わりに使っていただける身近な店”。中国市場の変化に上手く対応し、中国中間層のハートを手なずけることができるか、注目していきたい。