<スペシャ列伝>、SIX LOUNGE、Saucy Dog、ReNら5組が真摯な歌を届けた一夜

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スペースシャワーTVによるライブイベント<スペースシャワー列伝 第134巻 〜彩言疾風の宴〜>が、7月4日(火)に東京・渋谷WWWにて開催された。

◆<第134巻 〜彩言疾風の宴〜>画像

ライブハウスを中心に活躍するインディーズアーティストやビデオクリップのないアーティストたちの魅力を、ライブを通して全国の視聴者に伝えるというコンセプトのもと、2001年にスタートした<スペースシャワー列伝>。今回の公演には、SIX LOUNGE、Saucy Dog、リーガルリリー、KOTORI、ReNの5組が出演。真っ直ぐな言葉とメロディで、真摯な思いのこもったステージを展開した。以下、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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スペースシャワーが主催する若き才能の発掘イベント<スペースシャワー列伝>の第134巻 〜彩言疾風の宴〜が渋谷WWWで行なわれた。KOTORI、リーガルリリー、Saucy Dog、SIX LOUNGEの4バンドに加えて、Bar StageではシンガーソングライターのReNが登場したこの日は“言葉に偽りのないアーティストたち”を標榜していたとおり、メロディと言葉を大切にした5組がそれぞれの信念に基づく真摯なステージを見せてくれた。

トップバッターは2014年に埼玉県越谷市で結成された4人組ロックバンドKOTORIだった。ゆっくりとしたテンポにのせて「4号線」で幕を開けると、「KOTORIです。よろしく!」という横山優也(Vo&G)の手短かな挨拶を挟んで、その曲が途中でアップテンポな楽曲へと姿を変えた。そのまま疾走感溢れる「Blue」「ラッキーストライク」を畳みかける。MCでは「中学のときの夢が叶ってます!」と憧れの列伝のステージに立てた喜びを爆発させると、日々の生活のなかで溢れ出す感情を隠そうともせずに歌う「素晴らしい世界」が印象的だった。毎日うまくいかないことが多くて、なぜだか自分に厳しい社会。それを“ちょうどいい”と自分自身を諭すように綴り、あり余る若さと衝動を持ちながら、その繊細で傷つきやすい心が動いた瞬間をたしかに刻むKOTORIの真価が発揮された歌だった。

3人組ガールズバンド、リーガルリリーは柔らかくてほんわかとした歌声でありながら、ヒリヒリとした焦燥を掻き立てる鋭いロックサウンドで会場の空気を一変させた。ステージには下手からドラムのゆきやま(Dr)、中央にベースの白石はるか(B)、上手にたかはしほのか(Vo&G)が立つ変則的なフォーメーション。ミディアムテンポの「トランジスタラジオ」を皮切りに、仄暗い夜を散歩するような「ぶらんこ」、静と動を行き来しながらロックンロールの価値を問いかける「リッケンバッカー」を披露して、フロアに集まったお客さんの感情を激しく揺さぶっていた。そのステージの終盤では7月5日にリリースされたばかりの『the Radio』に収録されている「高速道路」や「はしるこども」を披露。その歪で美しい音像はこの日唯一のガールズバンドにして鮮烈な印象を残すステージだった。

メインステージでバンドマンたちの熱い演奏が続く合間を縫って、Bar Stageではループステーションを駆使するシンガーソングライターReNが一人多重録音によるパフォーマンスを繰り広げた。アコースティックギターを打楽器のようにも使いながら、2本のマイクと足元に用意した録音機材を操り、その場で音を積み重ねて歌を届ける。「Illumination」をはじめ、少ない音数から繊細に声と楽器の音とを重ねて、次第に迫力を増すサウンド。メロディは洋楽ライクだが、日本語で綴る歌詞の内容はとても泥臭い。この日、前後編の2回にわかれたステージでは「Lights」「Life Saver」「PASSION」という、とりわけ音楽に救われてきた自分自身の心情をストレートに込めた楽曲が多かった。「この音楽を僕は生涯にわたってやり続けていくと思います」と、ReNがMCで口にした決意の言葉も印象的だった。

続いてメインステージには3人組ギターロックバンドSaucy Dogが登場した。昨年末に<MASH FIGHT! Vol.5>でグランプリを獲得した彼らは、1曲ごとにボーカル石原慎也(Vo&G)が歌に込めた想いを言葉にしながら丁寧な演奏を届けてくれた。いつも“無理だ”が口グセだった自分に“さよなら”を告げる「グッバイ」ではサビで一斉にフロアから手があがる。最後のMCで石原は、大切な人が亡くなったとき、音楽活動のために通夜にも葬儀にも出ることができなかったと語りかけた。「僕が音楽を辞めたら、それこそ浮かばれない。だから僕はこの声が嗄れても音楽を辞めないし、この声が遠くの雲の向こうまで届くように歌い続けようと思います」と。そう言って届けた「いつか」は、別れの想いを素直な言葉で綴ったミディアムバラード。その歌には決して見過ごしにできない感情が確かにあった。

イベントのトリを飾った大分発のロックンロールバンドSIX LOUNGEはボーカルのヤマグチユウモリ(G&Vo)が革ジャンを着てステージに乗り込んできた。B.J.トーマスの1969年のヒットソング「雨にぬれても」の穏やかなSEをぶった切るように「ふたりでこのまま」からスタートしたライブ。「正々堂々いちばん汗かいて帰ります」というヤマグチの言葉のとおり、巻き舌気味に歌いあげる「プラマイゼロ」から怒涛のドラムプレイで魅せた「トラッシュ」などパワフルなロックサウンドでフロアを熱くしていった。MCでは「他のバンドがかっこいいのは知ってるけど、負ける気はしないです」という不敵な言葉でも煽る強気なステージ。“この歌があればきっと大丈夫”と歌うアンコールの「夢みた君が大好きだ」まで、その体当たりのロックンロールはやがてフロアのお客さんを笑顔に変えていた。

良い言葉はメロディという魔法の力を得たとき、信じられないパワーを持つ。のちの名曲として長く語り継がれる歌はみんなそういうパワーを持っている。この日の出演者たちは大きな意味ではまだまだ無名だ。だが、いずれは大勢の人たちの間で長く聴き続けられるような名曲を生み出すような、そんな可能性を秘めたアーティストたちだった。

Text by 秦理絵
Photo by マツシマ トヨヒロ

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なお、この日の模様はスペースシャワーTVにて8月に特別番組として放送されることが決定している。

<スペースシャワー列伝 第134巻 〜彩言疾風(さいげんしっぷう)の宴〜>
2017年7月4日(火) 東京・渋谷WWW
出演:SIX LOUNGE / Saucy Dog / リーガルリリー / KOTORI / ReN (Barstage出演)
[セットリスト]
■KOTORI
M1. 4号線
M2. Blue
M3. ラッキーストライク
M4. シャンプー
M5. 素晴らしい世界
M6. 19歳
M7. kaze

■リーガルリリー
M1. トランジスタラジオ
M2. ぶらんこ
M3. リッケンバッカー
M4. 高速道路
M5. はしるこども

■ReN
[1st]
M1. Illumination
M2. DREAM
M3. What I'm Feeling
[2nd]
M1. Life Saver
M2. Passion
M3. Lights

■Saucy Dog
M1. ナイトクロージング
M2. グッバイ
M3. 煙
M4. ロケット
M5. いつか

■SIX LOUNGE
M1. ふたりでこのまま
M2. プラマイゼロ
M3. トラッシュ
M4. メリールー
M5. 俺のロックンロール
M6. 僕を撃て
En1. 夢みた君が大好きだ

[放送日時]
初回放送:2017年8月19日(土)24:00〜25:00
リピート放送:2017年8月29日(火)24:00〜
視聴方法: http://www.spaceshowertv.com/about/howto/

オフィシャルサイト: http://www.spaceshowertv.com/retsuden/

関連リンク
◆<スペースシャワー列伝>オフィシャルサイト