中国紙・環球時報は11日、「章瑩穎事件で見せた米国の裏側」と題する社説を掲載した。写真は米国国旗。

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中国紙・環球時報は11日、「章瑩穎事件で見せた米国の裏側」と題する社説を掲載した。

中国人研究者・章瑩穎さんが米国で誘拐されてから既に1カ月がたった。FBI(連邦捜査局)は容疑者を逮捕したにもかかわらず、ここまでのこの事件への対応は極めて遅く実質的な進展があったとは言えない。章さんが被害を受けたかどうかは相変わらず不明だ。現在の情報によると、この事件はそこまで複雑な事件ではなく、FBIは事件発生の3日後、容疑者を確定させたそうだ。しかし、逮捕は出遅れ、尋問にも時間がかかったため、章さんを救出する最適なチャンスを逃してしまった可能性が高い。

世界最強の法律を執行する機関でありながら、FBIが若い命の救出に対してここまで効率の悪さを見せたことに対し、多くの中国人は疑問を抱いている。米国へ留学するつもりの中国の学生および彼らの保護者も米国の治安に不安を抱くようになった。米国側がいち早く説明責任を果たすように、中国政府と国民には要求する権利がある。

実は米国警察の非効率は新しい問題ではなく、章瑩穎事件の発生で中国の世論に注目されるようになっただけだ。米国の「全国失踪および行方不明者システム」で失踪事件は2万6046件あり、その中で未解決事件は1万3216件と、50.74%を占めている。この状況を招いた原因はさまざまだが、優秀な人材が少ないことが一つの原因と言えよう。また、長期にわたる体制のこう着も官僚主義を助長している。

容疑者を逮捕した後、米国側は容疑者にいかに自白させるかのみに注力した。その結果、被害者を探すためのより細かく深い調査が先延ばしにされてしまった。法律に従って、容疑者の尋問は被害者の捜索と同時進行されるべきだ。もっと言えば、搜索の方により多くの資源を投入すべきなのだ。

FBIが被害者が行方不明のまま、かつ容疑者が事件全体をまだ自白していない状態の下で、慌てて被害者がすでに殺害された可能性が高いと宣告してしまい、あたふたと事件を終わらせようとする姿は、さらに人々を心配させたことだろう。

FBIが司法手続きを重視しているからだという言い分もあるだろう。だが、手続きはもとより重要だが、それ自身は決して目的ではない。FBIの存在意義は司法手続きではなく、悪人に当然の処罰を与え、民衆の生命財産をきちんと保護することにあるのではないか。手続きの正確さを確保するために人の生命に被害を与えるなら、こうした手続きには何の正義があるだろう?

今回の事件を通し、いわゆる手続きの正確さは絶対的な制度面での優勢ではなく、多くの場合において、米国の体制の両面性と極端化した「負の資産」となっていることが明らかになった。「手続き優先」主義は行動のこう着と非効率だけをもたらし、さらに官僚主義の口実へと移り変わる。往々にして重要な判断を下す際に、こう着した局面を作る原因になりがちなものだ。

米国メディアによると、2008年以来、米国での中国人留学生の人数が2倍ほど増え、昨年は32万9000人に達した。章さんが留学していたイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は中国人留学生の間で人気の高い大学の一つで、約5600人の中国人学生がそこに留学している。今回の事件は個別のケースであり、中国人留学生の米国留学のトレンドが変わることはないだろう。だが、今後、中国の保護者は子どもを米国に留学させる際、必ず「安全に気をつけてね!夜は一人で外出しないでね!」と子どもに注意を呼び掛けるのは間違いない。

米国は地獄ではないのだろうが、断じて天国ではない。章さんが連れ去られた事件の影は子どもを米国に留学させるすべての保護者から離れることはないだろう。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)