9日、韓国の銭湯で月数百枚のタオルが盗まれるなど、細々とした店の財産をこっそり盗む「針泥棒」が、商売人を泣かせている。写真はソウル・明洞。

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韓国のことわざに「針泥棒が牛泥棒になる」というものがある。ちょっとしたものを盗んでいた泥棒が、やがて「大物」を盗むようになることを指す言葉だ。このほど韓国メディア・世界日報が、小さな悪事を働く「針泥棒」が韓国のあちこちに出没している実態を伝えた。

首都圏に位置するある銭湯は、「盗んだタオル」と文字をプリントしたタオル2000枚を、利用客への貸し出し用に用意した。多い時には月100枚以上のタオルが客に持ち去られたことを受けての措置だ。こっそりタオルを盗む恥知らずの客に、この文字を見て恥ずかしさを感じさせるのが狙いだという。

銭湯だけではない。ソウル市内のあるネットカフェのカウンターには「ヘッドセットやマウスを持ち出した人を通報した場合、4万ウォン(約4000円)を差し上げます」と書かれている。店内には監視カメラ6台が設置され、従業員が24時間監視しているが、1カ月になくなるヘッドセットは10本以上に上り、マウスや携帯電話の充電ケーブルなどに関しては数え切れないほど盗まれたそうだ。

この他にも、ペンションではシャンプーやリンスやティッシュぺーパー、ドライヤーなど、飲食店では皿やカップ、ナイフといった食器が盗まれるなど、各地で被害が絶えないという。

警察庁の資料を基にある国会議員が分析した結果では、1万ウォン(約1000円)以下の窃盗犯検挙の現況は、2011年の1万563件から昨年には1万4810件と4000件以上増えたことが分かった。1万〜10万ウォン(約1000〜1万円)以下の窃盗犯についても、3万9566件から5万1511件へと急増していたという。

専門家らは「針泥棒」が横行していることについて、「『生計型窃盗』というより、個人的な満足のための『快楽型窃盗』だ」と指摘する。安価な品物なので持ち帰っても構わないだろうという利己主義と倫理不感症が「針泥棒」をあおっているというのだ。

警察関係者は「小額なものであっても所有権や占有権は事業主にあるため、何の気なしに持ち帰る行為も窃盗罪として処罰することができる」とする一方、「事業主としては被害事例別の金額が小さく申告を嫌うケースが多いだけに、事業主の立場を推し量る消費者の良心が重要だ」と話している。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「情けない。『私はこじきです』と言っているようなもの」「勝手に持って帰って自慢するやつがいるけど、いったいどんな家庭教育を受けてきたんだろう」と「針泥棒」への非難コメントが相次いでおり、「飛行機の毛布も『全国民の窃盗品』として有名だった。海外のゲストハウスで韓国人を見分ける方法の一つらしい」「バイキングのすしのネタだけ食べるやつらも多い」など別の事例を挙げるコメントも目立つ。

また、「ペンションは使い捨ての備品を支給すべき。まだ国民性が追い付いていないから」「チェックイン時に備品ボックスを貸し出し、チェックアウト時に返却する仕組みにする方法もある」など対策を提案する声も上がった。(翻訳・編集/松村)