(写真=キム・ヘリムInstagram)

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韓国から、またしても女子プロゴルファーが上陸する。

来る7月14日〜16日に開催される「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」に推薦枠で出場する彼女の名は、キム・ヘリム。

1989年生まれの彼女は、昨年5月の「キョチャンハニーレディス・オープン」で、2007年のプロデビューから9年越しとなる初優勝を達成。その後10月の「KBファイナンシャルスターチャンピオンシップ」も制覇し、“大器晩成”型のゴルファーとして関心を集めている。

今季もすでに2勝を収めており、まさに今、一番波に乗っている選手と言っても過言ではない。

卵に対してストイックすぎる

彼女にはキャッチフレーズが2つある。一つは“卵ゴルファー”だ。

それはまだ優勝の遠かった2014年に、飛距離を伸ばすために筋力トレーニングを強化した際、一日に卵を30個も食べていたというエピソードから付けられた。

もう一つのキャッチフレーズは“寄付天使”。

2009年から獲得賞金の10%を欠かさず寄付してきたことから付けられた異名だ。

初優勝時は「夢だった」という優勝賞金の全額寄付も実現。忠清北道(チュンチョンブクド)にある青少年相談福祉センターに寄贈した自動車5台の購入費用に充てている。

1億1200万ウォン(約1120万円)にも上った自動車購入費には、彼女がバーディーを取るたびにファンが1000ウォンずつ集めた寄付金も含まれていた。

韓国ゴルフ界の評価

寄付を始めたのは、両親の勧めがきっかけだったという。彼女は賞金の寄付についてこんなことを言っている。

「初めは“賞金も全然獲得できていないのに、どうしてこんなことを”を思っていました。けれど、寄付をした分、いや、それ以上に満たされるものがあったんです。幸福感も大きかった。“これはいいことだ”と思って、毎年冬には保育園を訪問や練炭配りのボランティアなども行っています」

そんな温かい心を持つ彼女は、韓国ゴルフ界の評価も高い。

韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアーで上位60位以内に入った選手の中からメディアやスポンサー関係者、KLPGA会員などの投票によって選ばれるKLPGA広報モデルに、2016年から2年連続で選ばれているのだ。

過去にはイ・ボミやキム・ハヌルらそうそうたるメンバーが選ばれてきたことからも、彼女の評価と期待の高さがわかるだろう。

暴力事件を起こした”ゴルフ・ダディ”

ただ、最近は悲しいトラブルもあった。

今年5月のツアーの途中、父が彼女の所属事務所のマネージャーにわめき散らし、暴力を振るう事件が起きたのだった。

彼女がKLPGAの掲示板で公式に謝罪して事態は収拾したものの、過去には父がキャディーも務めたこともあり、まさに父と二人三脚で歩んできた彼女の悲しみは想像に難くない。

ちなみにこの一件を機に韓国では、これまで感動的に語られることの多かった“ゴルフ・ダディ”には、実は「俺があの選手の父親なんだから俺が王様だ」と傲慢に振る舞う一面もあるとして問題視されている。
(参考記事:父の日も返上!? 仕事も財産も投げ打って娘に賭ける韓国“ゴルフ・ダディ”たち

ただ、それでも彼女はいたって前向きだ。今年の目標について、賞金ランキング3位に入りたいとしながら、こう語っている。

「早く咲く花よりも、ゆっくり長く咲き続ける花のような選手になりたい。焦りを捨て、学ぶ姿勢を持って少しずつ成長していきたいです」

彼女らしいとも言える謙虚な目標だが、やはり気になるのは日本進出についてだ。

今回の「サマンサタバサレディース」は推薦枠での出場となるが、日本ツアーへの本格進出については「今はまだその計画はないですが、挑戦したい気持ちはある」「(『サマンサタバサレディス』に)行った後、考えてみなければいけないようです」と含みを持たせている。

遅咲きの“寄付の天使”は、果たして日本に本格進出してくるのか。

彼女にとっても日本女子ゴルフ界にとっても、今回の「サマンサタバサレディス」は重要な試金石となりそうだ。

(文=S-KOREA編集部)