iPhoneを超えるモトローラの合体スマホ「Moto Z」シリーズが、スマホ成熟期に成功した理由

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現在のスマホは、機能やサービス面で確実に完成期に入り、他多数のユーザーに普及したことで成長も鈍化を見せ始めている。

こうした完成期には、スマホ個々の差違が少なくなり、差別化が難しくなる。
そのためスマホメーカーは。
・他社のスマホとの差別化
・他社のスマホに対する優位性
これらをアピールするため、独自の機能やサービスを進化させた製品を開発・提供する「成熟期」を迎えるのだ。

今。まさにスマホ市場は、絢爛豪華な「成熟期」を迎えたと言ってよいだろう。

モトローラの「Moto Z」シリーズは、メーカー各社が様々な機能を製品に搭載する中、他社にはない大きな特徴で人気製品となっている。

それは本体の背面に専用モジュール「Moto Mods」を装着してスマホの機能を大きく拡張できるからだ。
・JBLのHi-Fiスピーカー
・ハッセルブラッドの高画質カメラ
・大容量バッテリー
・プロジェクター
など、スマホ本体の機能では実現できないような大きな機能強化をするモジュールだけではなく、同時に搭載できないような様々なアクセサリ機能など、1台のスマホでできる機能の制限を超えて、スマホの可能性と使い勝手を自在に拡張することができるのである。

モトローラ以外のスマホでも、アクセサリを使って機能を拡張することはある程度できる。
例えば、クリップ式のレンズなどだ。
クリップ式のレンズは、雑誌の付録にもなるほど、スマホ標準のカメラ機能に物足りなさを感じている人には有用なアクセサリだ。

しかしモトローラのカメラモジュールは、
・光学10倍ズームレンズを搭載
・最大40倍までデジタルズーム
が可能となるだけでなく、見た目もまるでデジタルカメラのようになる。

まさにスマホに何かを足すレベルではない、本格的なアイテムだ。
その分モジュールの値段は高価だが、値段に見合っただけの性能を有している。

逆に言えば、数百円程度でレンズアダプタを買ったものの、すぐに使わなくなった、なんてケースより、それなりの金額を出しても長く使い続けられるモノを選択するのは、賢い買い物とも言えるだろう。

合体式とも言えるMoto Modsのようなモジュールで機能拡張できるスマホは、「Moto Z」シリーズが初めてではない。

実は、これまでにも何機種か製品があった。
しかし、目新しさで話題になったものの、発売後はモジュールも本体も売れずにひっそりと市場から姿を消していった。

それらに対してモトローラは、Moto Mods対応スマホを発表、提供を開始してから早1年がたった現在でも、いまだに高い人気をキープできている。

ではその秘密はどこにあるのだろうか?


合体式モジュール「Moto Mods」は多数の製品が登場


過去の合体式スマホが消えて行った理由は、いくつかある。
・モジュールの機能が中途半端
・対応スマホが1機種でしか使えない
など、非常に限定した利用環境だったこがある。

これに対してMoto Zシリーズは、
・2016年6月登場から2年間は同じモジュールを使えるようにする
・将来の製品もの背面のサイズや構造を変えない
こうした方針を決めたのである。

これまでスマホのトレンドは年々変わっている。2年後には今とは全く違うデザインの製品が主流になっている可能性もある。
しかしモトローラはそんな状況になっても、2年間は、同じデザインや機能を守り続けると決めたのだ。

そのため、Moto Modsには機能を拡張するモジュールだけではなく、本体のデザインを変更するカバー類も用意されている。特定のカラーやデザインが流行になったとしても、まるでスマホカバーを付け替えるように、カラフルなMoto Modsを投入すれば、スマホのデザインが時代遅れになることはない。


着せ替えモジュールも提供。本体の着せ替えも可能だ


またMoto Modsとスマホ本体の合体方法にも、進化した工夫を施している。
合体は、マグネットを利用して強固に固定される。

このマグネット固定は、強力で、たとえ本体を落としてもMoto Modsが外れてしまうことが無いそうだ。
つまりMoto Modsを装着したスマホは、単にモジュールを付けたのではなく、最初からカメラやスピーカー、プロジェクターが内蔵されたスマホのように、本体にしっかり固着されるのだ。せっかくのシャッターチャンスにカバンからスマホを取り出したらカメラモジュールがはずれてしまった、なんてことは起きないのである。

実は、Moto Modsとスマホ本体は、マグネットだけでなく専用の「16ピンコネクタ」で電気的にも接合されている。

この専用コネクタにより、画像や音楽データを高速にやり取りできるのである。
ディスプレイの外部出力、指紋センサー、マウスやキーボード、USB2.0/3.0といった信号を利用できるよう、幅広い拡張性が考えられているのだ。

さらにMoto Modsの開発キットも公開されているので、個人が自分の作りたいモジュールを開発することもできる。
例えば、「Physical Keyboard Mod For Moto Z」という外付けキーボードが開発され、クラウドファウンディングで出資金を募り、製品化に成功している。
この開発キットは日本向けにも投入されるので、今後日本人のアイディアによるモジュールも登場するかもしれない。


クラウドファウンディングで資金調達に成功したMoto Modsのキーボード


一見するとギミックだけが特徴に見えるMoto Modsも、将来の互換性や大きな拡張性を持たせるという合体モジュールとしてしっかりとした設計がされているのだ。これからどんなモジュールが出てくるのか楽しみであると共に、モトローラのスマホ人気が復活することに期待したい。


山根康宏