テニス、ウィンブルドン選手権、男子シングルス4回戦。ガッツポーズを見せるアンディ・マレー(2017年7月10日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】男子テニスアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が10日、男女シングルス4回戦の全試合が行われる「マニック・マンデー」で、女子トップ選手をショーコート以外のコートに追いやったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)のスケジューリングは「不公平」だと非難した。

 世界1位のマレーと女子テニスのヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)が、センターコートとコート1という2つのショーコートで男女各2試合ずつができるように、試合開始時間を早めるべきとの提案をしている一方、ウィンブルドンを主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club、AELTC)は、男子の「ビッグ4」はテレビ局や観客が最も観戦したい人気選手だとして、今回の決断を擁護している。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と並び、ビッグ4の一角を形成する前年覇者のマレーは「誰もこれが公平だとは思っていないと思う」とした上で、「男女各2試合がセンターで行われるのが理想的。試合開始時間を少し早めることで、それができるようになる可能性はあるだろう。もし4試合できたら、今よりかなり良くなる」と語った。

 マレーはまた、その日予定される試合に応じて男女のバランスを取り、大会を通して公平性を確保することを提言。センターコートとコート1の試合開始時間を前倒し、試合数を公平に割り振るのは「難しいことではない」とコメントした。

■わずか1日で「16」のビッグマッチ

 男女4回戦の全試合が開催されるウィンブルドンのマニック・マンデーは、四大大会(グランドスラム)でもユニークな存在とされており、この日はマレーとフェデラーの試合が、1万5000人収容のセンターコート、ナダルとジョコビッチの試合は同1万1000人のコート1で組まれた。

 女子シングルスでは、大会5勝のヴィーナスと地元期待のジョアンナ・コンタ(Johanna Konta、英国)の試合が、それぞれセンターコートとコート1で予定された一方、世界1位のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)対2015年大会準優勝のガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)の一戦に加え、元女王ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)対現世界2位シモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)の試合は、4000人収容のコート2に入れられた。

 また、グランドスラム2勝のスベトラナ・クズネツォワ(Svetlana Kuznetsova、ロシア)対ウィンブルドン元準優勝者のアニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、ポーランド)の試合と、元世界1位キャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)の一戦は、2000人収容のコート3で実施。さらに、全仏オープンテニス(French Open 2017)女王のエレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)は、1000人収容のコート12で戦うことになった。

 しかし、オールイングランド・クラブの最高責任者(CEO)を務めるリチャード・ルイス(Richard Lewis)氏は、マニック・マンデーは、ビッグネームがメインコートで試合を行えるという意味ではないと主張する。

 ルイスCEOは報道陣に対し「ラファ、ロジャー、ノバク、そしてアンディという、歴代最高の選手4人がいるんだ。だから、難しい選択を残されることになってしまうよ」、「えこひいきとは言わないが、人気の試合を取っているんだ。人々やテレビ局、すべての人びとが見たいと思っている試合をね」と説明した。

■「すでにテストされた形式」

 開幕からの7日間では、男子シングルス14試合がセンターコートで行われた一方、女子シングルスはわずか8試合となっており、ヴィーナスも「女子選手も2週間通してセンターやコート1でより多くの試合をやりたいだろうと確信している」と話している。

 現在はショーコート2面が午後1時、アザーコートは午前11時30分に第1試合が開始されることになっており、英ロンドン(London)では午後9時15分頃に日没を迎える中、センターコートが照明を有した唯一のコートとなっている。

 マレーやヴィーナスがセンターコートとコート1の試合開始時間を早め、計4試合を実施する提案をしている中、オールイングランド・クラブのルイスCEOは「それはうまくいかない」とした上で、「3試合というのは、すでに試されたり、テストされたりした形式だ」とコメントし、両選手からのアイデアを一蹴している。

 一方、グランドスラム通算18勝のクリス・エバート(Chris Evert)氏は、「賞金が平等なのだから、露出も平等であるべきでは?」と、男女各3試合がメインコート2面で実施されるべきだとの考えを示した。

 エリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)との試合がコート12に組まれたオスタペンコはこの日、「私は12番コートより良いコートでプレーするに値すると思う。それにエリナは世界4位。私たちの試合は、見る人にとって非常に面白いと思う」と発言。一方のストリビーナは、今回のスケジューリングを「不公平」だとは思っていないと話している。

■「男子テニスを見るほうが楽しい」

 この日、ショーコートの中で最も小さいとされる800人収容のコート18で勝利を収めたマグダレナ・リバリコワ(Magdalena Rybarikova、スロバキア)は、今回の予定の組み方に賛成している。

 リバリコワは「男子テニスを見るほうが楽しい。フェデラーやマレーといったビッグネームもいるから、観客はより楽しめると思う。彼らはセンターコートやコート1でやるにふさわしいと思う」と語った。

 また、オールイングランド・クラブのルイスCEOは、マニック・マンデーの形式下では、アウトサイドコート向けの安い価格のチケットにより、観客が有名選手の試合を見るチャンスが増えると主張。

 さらに、女子シングルス準々決勝と準決勝を男子とは別日の火曜日と木曜日に実施するという、グランドスラムの中でもユニークとされるウィンブルドンのスケジューリングについては「とても誇りに思っている」と話している。
【翻訳編集】AFPBB News