年金搾取のためフロリダ州の男は妻の遺体を8年間冷凍庫で保管(画像は『WESH Channel 2 2017年7月4日付「Man kept wife’s body in freezer to collect Social Security for 8 years」』のスクリーンショット)

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身内が亡くなったにもかかわらず死亡届を出さず、残された家族が長きにわたりその年金を搾取するという犯罪行為。遺体を墓に眠らせず、ひたすら死を隠す例も多々あるようだ。このたびの話題は米フロリダ州から伝えられたもので、多くの家庭が巨大な冷蔵庫・冷凍庫を持つアメリカならではの手口であった。

『TIME』『WESH Channel 2』『myfox8.com』ほか多くのメディアが「故人の年金を騙し取るためにここまでするとは」と痛烈な批判を込めて伝えたのは、2010年に死亡したアラン・ダンという男の話題である。アランはタンパに近いフロリダ州のサンシティセンターという町に妻マーガレットさんと2人で暮らしていたが、マーガレットさんは2002年に死亡。誰にも気づかれずに自宅で息を引き取ったこともあり、アランは敢えて妻の死亡届を提出しなかった。

その理由はマーガレットさんが受給していた年金。そして健康的で穏やかな老後が送れると高く評価されているサンシティセンターでの優雅なコンドミニアム暮らしにあった。妻の年金受給権を返上すれば収入が減る、このことをアランは一番に恐れたとフロリダ州警察はみている。

そして2010年にはアラン本人が死亡。年金搾取の事実はこれを機にやっと明るみに出たといい、マーガレットさんの遺体もやっと墓地に眠ることになった。妻の死からアランの死まで約8年。米・社会保障庁が扱う公的年金について、連邦地検はアランの不正受給額は計92,088ドル(日本円にして約1,050万円)と算出。アランの遺産相続人はマーガレットさんの死をまったく知らなかったとし、唯一の資産であった夫妻が暮らしたコンドミニアムの部屋を譲り受ける権利を放棄し、売却に同意した。その売却益から税金、販売に関する諸手数料、コンドミニアム管理組合費などをすべて支払うと15,743.14ドル(約180万円)が残ったが、これも連邦政府に返還したという。

画像は『WESH Channel 2 2017年7月4日付「Man kept wife’s body in freezer to collect Social Security for 8 years」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)