厚生労働省は7月7日、「ハローワークにおける求人票の内容と実際の労働条件が異なる」といった求職者からの申出が、2016年度に9299件あったことなどを明らかにした

相談を受けて厚労省が事実確認を行い、「求人票の内容が実際と異なる」と確認できたのは3608件だった。

「記載額よりも低い金額だった」「実際よりも休憩時間が短かった」

求職者から「求人票の内容が異なる」と相談を受けた場合、ハローワークは迅速な事実確認と必要な是正指導を行う。「求人者の説明不足」(2335件、25%)や「求職者の誤解」(576件、6%)というケースもあった。

「求人票の内容が異なる」と確認できた3608件に対しては、「求人票の内容を変更した」(982件、27%)、「求人票に合わせ労働条件等を変更した」(196件、5%)などの対応を行った。

相談内容としては「賃金に関すること」(2636件、24%)が最多。「就業時間に関すること」(1921件、21%)、「職種・仕事の内容に関すること」(1311件、14%)が続く。具体的には、「記載額よりも低い金額だった」「実際よりも休憩時間が短かった」「固定残業代制ではないと言われていたが、面接時に違うことがわかった」などの事例が挙がっているという。

2016年度の申出件数は、2015年度の1万937件と比較すると1638件(15%)減少している。この理由についてキャリコネニュースが厚生労働省職業安定局総務課主席職業指導官室の担当者に聞くと、次のように答えた。

「求職者から記載内容の相違の相談を受けてから、すぐに事実確認を行い、事業者に是正を行なったことが効を奏したものと考えています」

今年1月からは、事業者がハローワークに求人申込をする際、条件を明確に書くためのチェックポイントなどが書かれたリーフレットを配布している。そうしたこともあり、同担当者は「求人票への曖昧な表記が減ったのでは」と見ている。

2018年1月からは、ハローワークに虚偽の求人を出した事業者に罰則

申出件数は前年度比で15%減少しているとはいえ、数値はあくまで求職者の相談を受けてハローワークが調査したものだ。「求人票の内容と違う」ことがわかっても、ハローワークに相談をしない人も多くいることが予想され、表に出てこないケースはもっとあると思われる。

現在は、事業者がハローワークに虚偽の条件で求人を出しても罰則はない。今後について、担当者は「職業安定法の改正を受けて、2018年1月からハローワークに虚偽の条件で求人を出した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることになります」と話していた。

また、「罰則が設けられることで求人を出す事業者の意識を変え、虚偽の内容記載の抑止につながるのではと考えています」とのことだった。