ナダルがミュラーとの激戦に敗れる、スコアは第5セット15-13 [ウィンブルドン]

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 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3〜16日/グラスコート)の男子シングルス4回戦。

 第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)は、まず2セットを先取された劣勢を巻き返し、それから4つのマッチポイントをしのいだ。しかし、5つ目のマッチポイントは消し去ることはできなかった。

 4時間半以上を必要としたそのスリルとサスペンスの対戦の間を通し、繰り返し厳しい状況から自分を救い出した末に、ナダルは突然よろめき、最後のゲームをブレークされて、第16シードのジル・ミュラー(ルクセンブルク)に3-6 4-6 6-3 6-4 13-15で敗れたのだった。

「最後にいったい何が違いを生んだのか、はっきりとはわからない」とミュラーは言った。「正直言って、今起こったことを本当の意味で実感できていないんだ」。

 この驚きの敗戦は、オールイングランド・クラブ(ウィンブルドン)で準々決勝に進めていないナダルの渇きの時期を、6年に延長することになった。

 ナダルはここまで出場した15回のウィンブルドンで2度優勝し、さらに3度決勝に進んでいる。もっとも最近のケースは2011年になる。しかしそれ以降は1回戦(2013年)、2回戦(2012、2015年)、4回戦(2014、2017年)で敗退していた。

 この月曜日を例外に、それらすべての敗戦が、世界100位かそれ以下の選手を相手に起きていた。34歳のミュラーも大物食いが得意な選手というわけではない。彼はこれまで、世界トップ5の選手に対し、22対戦連続で負けていたのだ。そして彼は、これ以前にたった一度、2008年全米オープンでグランドスラム大会の準々決勝に進んだことがあっただけだった。

 しかしこの日、ミュラーのパワフルなサービスと、切れ味のよいボレーがナダルを、自身"心地よくプレーできない"と表現した状態に追い込むことになった。そして以前にも、2005年ウィンブルドンの2回戦でナダルに勝ったことがあったミュラーは、何度かチャンスを逃したにも関わらず、めげることなく、最後にはこの試合から勝者として抜け出ることに成功したのだった。

 ナダルはこの決勝の第5セットを通し、常に追いかける形で自分のサービスゲームに入り、第10ゲームで2度、敗戦まであと2ポイントというところに立たされた。彼は第20ゲームでも、ふたたび2度にわたり、敗戦まで1ポイントというところまで追い込まれている。ミュラーがついに戦いに終止符を打ったのは、その次のチャンスを得たときだ。ナダルは13-14からの自分のサービスゲームでフォアハンドをアウトし、ブレークを許したのだった。

「彼のような選手に対し、第5セットに入ったとき、結果は数本のショットによって決まる」と、頭を振りながらナダルは言った。「実際、いくつかのポイントで彼は僕よりほんの少し上だった」。

 カギとなったことがひとつ。ナダルは手にした16のブレークポイントのうち、2つしかものにすることができなかった。それには、第5セットでの5つのブレークチャンスも含まれる。そしてそれは、第4シードのナダルが、77本のウィナー、たった17本のアンフォーストエラーという素晴らしい数字にも関わらず敗れた、大きな要因でもあった。

 ナダルは、グランドスラム大会で28セット連取という好成績をひっさげてこの試合に臨んだ。これは自己ベストとタイであり、オープン化以降の時代でこれ以上の数字を出した者は、ふたりしかいない。彼は、10度目の全仏オープン優勝を決め、15度目のグランドスラム・タイトルを獲得した直後に、オールイングランド・クラブにやって来て、このグラスコートの大会で、ふたたび優勝候補の一角となるかに見えていたのだ。

 2006年から2011年、ナダルは出場したウィンブルドンで5回連続で決勝に進出し(2009年は膝の故障で欠場した)、2008年と2010年に優勝した。しかし今回は、ミュラーが2014年全米チャンピオンのマリン・チリッチ(クロアチア)に挑む頃、ナダルは家に帰ることになるのである。

 そのほかの男子シングルス準々決勝の顔合わせは次のとおりとなった(ドローの上から)。

 前年優勝で第1シードのアンディ・マレー(イギリス)対第24シードのサム・クエリー(アメリカ)、第16シードのミュラー対第7シードのチリッチ、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)対ウィンブルドン7度優勝で第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)、そして第11シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)は、アドリアン・マナリノ(フランス)と第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)の試合の勝者と対戦することになる。

 ジョコビッチ対マナリノの4回戦は、ナダル対ミュラーの試合のあとに1番コートで行われる予定になっていたが、日没のため火曜日に順延となった。

 ナダルとミュラ-は20時が過ぎても延々とプレーを続けていた。沈みつつある太陽がアリーナの一部に反射して大いにナダルを煩わせたために、ナダルが一時動きを止め、主審のアリ・ニリが反射を遮る場所に立つよう観客に頼んだほどだった。そしてその数ゲーム後、ニリはファンに、メキシカンウェーブをやめ、次のエンドチェンジを待ってそれを再開するようにとすすめたのだった。

 最初の75分で2セットを落としたあと、ナダルはプレーを調整した。彼は自分に反応するための時間を与えるために、ベースラインのさらに後方に下がったのだ。彼はまた、自分のサービスも改善し、ナダルにしては普通以上に高い23本のサービスエースを決めた。これはサービスが武器のミュラーより、7本少ないだけのいい数字だ。

 それでも、第5セット4-5から迎えたナダルのサービスゲームで、雲行きは怪しくなった。ナダルはダブルフォールトをおかして15-40とされ、ミュラーに最初の2本のマッチポイントを与えてしまう。サービスエースと、サービスによるウィナーでナダルはその最初のピンチから脱出。ミュラーの次の2本のマッチポイントは、10-9からの第20ゲームだった。ナダルは最初のひとつをボレーのウィナーで回避し、2番目のそれは、ミュラーがリターンをミスしたときに、自然に消滅した。

 第5セットだけでも2時間15分がかかった。結局ナダルは、ここ10年で初、キャリアで4度目となる、2セットダウンからの挽回勝ちを成し遂げることができず。反対に、指の間からこぼれ落ちてしまったかに見えていた勝利を謳歌したのは、ミュラーのほうだったのである。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」4回戦で4時間48分の激闘を演じた第4シードのラファエル・ナダル(スペイン/左)とジル・ミュラー(ルクセンブルク/右)。ミュラーがナダルをフルセットで破った。(撮影◎小山真司/テニスマガジン)