「いまのヴェルディにいないタイプのアタッカー」との声も。新助っ人カルロスにかかる期待は大きい。(C)TOKYO VERDY

写真拡大 (全2枚)

 フランチェスコ・トッティの獲得報道に揺れる東京ヴェルディ。もしローマの英雄が加入するとなれば、ヴィッセル神戸にやってきたルーカス・ポドルスキを超える衝撃となるだろう。ピッチ内外でJリーグに、特大の効果をもたらすはずだ。
 
 ただ、現在のヴェルディにしてみれば、あくまでプレミアムなオプションに過ぎない。
 
 チームはシーズン序盤の快進撃を経て、この2か月は停滞を余儀なくされている。22節終了時点の順位は5位だが、首位・湘南ベルマーレとは9ポイント差、2位・アビスパ福岡とは8ポイント差と、自動昇格に向けて待ったなしの状況だ。とりわけ攻撃のパンチ不足が顕著で、信頼のおけるフィニッシャーも不在のままである。
 
 トッティ招聘への動きが報じられた6月下旬、ヴェルディは新助っ人の獲得を発表した。スペイン出身のFW、カルロス・マルティネス。1986年6月27日生まれ、183センチ・74キロのストライカーだ。
 
 初めてプロ契約を交わしたのは23歳の時。弁護士の資格を持つインテリで、それまでは学業とフットボールの両立に努めていたという。リーガ・エスパニョーラの3部、あるいは4部のクラブでプレーしてきた叩き上げで、ここ2シーズンは3部のビジャレアルBに所属。前線の得点源として活躍し、2015-16シーズンに15得点、16-17シーズンには20得点を挙げている。
 
 キャリアのなかで1部や2部クラブへステップアップするチャンスは何度かあったという。だがカルロスは「自分を中心に据えてくれるチームでプレーしたい」と考え、下部リーグで実績を積み上げてきた。
 
 ドイツの移籍専門サイトによれば、今回生じた移籍金はゼロ。だがヴェルディのクラブ関係者によると、それは事実ではないようだ。ビジャレアルBとの契約はもう1年残っていた。3部のグループ3で得点ランク2位に食い込んだだけに、リーガ2部のクラブなどから獲得の打診があったようだが、最後はカルロス自身の意思で日本行きを決めたという。同胞のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督による直々のラブコールにも胸を打たれ、遠い日本での挑戦を決意したのだ。
 竹本一彦GMは、獲得の経緯をこう説明する。
 
「うちにはドウグラスとアランがいて、ずっと外国籍枠がひとつ空いていた。どう使うべきかを考えるなかで、やはり得点を奪うというところだろうと。監督やコーチと相談しながらリストアップして、カルロスが最適な選択肢になったわけです」
 
 Jリーグの登録ルールの関係で、カルロスが公式戦に出場できるのは7月21日以降。デビューは早くても24節・カマタマーレ讃岐戦(7月22日、味スタ)となる。当人は7月1日に来日。先週水曜日からチーム練習に合流しており、週末のホームゲーム(ファジアーノ岡山戦)ではサポーターにお披露目された。「すべての緑のユニホームを着ている人びとに力を注ぎます。一緒に目標を達成しましょう!!」と語りかけ、スタンドを沸かせた。
 
 謎のベールに包まれていたカルロス・マルティネスとは、いったいどのような選手なのか。その力量はいかほどのものか。ロティーナ監督は「非常に能力の高いストライカーで、ゴールを決められる選手だ。すぐにフィットできると確信しているよ」と話すにとどまったが、コーチのイバン・パランコ氏がもう少し詳しく、起用のイメージなどを明かしてくれた。
 
「我々がいままさに必要としている、『点を取る』という部分で大きな力になってくれるはずだ。足下でボールを受けて捌くのが巧く、周囲と連動してゴールに迫る。ラストパスの質も高いし、エリア内で決定的な仕事ができる。見た感じ、ヴェルディの選手との相性は良さそうだね。柔軟性があるから、センターでもウイングでも起用できると思う。かなり期待してもらっていいはずだ」