by Tax Credits

100ドルを持った100人を1つの部屋に集めて、それぞれ無作為に選ばれた人に1ドルを渡したらどうなるでしょうか。AさんはBさんに、BさんはCさんに、CさんはDさんに……と、それぞれがそれぞれに1ドルを渡せば、ぐるっと回って全員±ゼロとなりますが、実際は無作為に選んだ相手に渡していくことになるので、お金を渡す機会が増えれば増えるほど偏り、つまりは貧富の差が生まれます。

Counterintuitive problem: Everyone in a room keeps giving dollars to random others. You’ll never guess what happens next. - Decision Science News

http://www.decisionsciencenews.com/2017/06/19/counterintuitive-problem-everyone-room-keeps-giving-dollars-random-others-youll-never-guess-happens-next/

When random people give money to random other people | Quomodocumque

https://quomodocumque.wordpress.com/2017/06/27/when-random-people-give-money-to-random-other-people/

この仮定は、ノースウエスタン大学で教育科学・コンピューター科学・複合システムを専門にしているUri Wilensky氏が考えたもの。結果は、AさんがBさんに、BさんがCさんに……と順繰りに渡すことにはならないまでも、多かれ少なかれ等しい値に近いところに落ち着くというのが妥当に思えます。博士号を持つ人5人に考えてもらっても、同じ答えだったそうです。

しかし、実際にやってみると、如実に偏りが発生します。

以下のグラフは「45ドルを持った45人が、1カウントごとに誰かに1ドル渡す」というシミュレーションの過程を示したもの。縦軸は持っているお金の額を示していて、上のオレンジ色は単に被験者順に並べたグラフ、下の緑色は金額順に並べたグラフです。開始から51回のやりとりを経て、緑色のグラフで見ると確実に順列が生まれています。



500回を超えたものがコレ。オレンジ色の右端の人は0ドルになってしまいました。



1200回を超えたところ。さきほど0ドルだった人は復活していますがまだもとの45ドルまでは戻っていない状態。一方で、100ドルを突破した人が何名か登場。



3000回が近づくと、トップは150ドルに到達。



3600回を超えて、トップは200ドルへ。



ラスト近くの状態はこんな感じ。もともとは全員が45ドル持っていたにも関わらず、14名が50ドル以上である一方、残り31名は50ドル未満になるという差が生まれました。



あくまでこれは5000回の試行の回数内での結果で、渡す相手は常にランダムに選ばれるので、200ドルの人がトップで居続けられるわけではありませんが、無害に思えた「ランダムな相手に1ドルを渡す」という行いが結果的に不平等を生んだというのは興味深いところです。