著書『男心の説明書』

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韓国の大統領府行政官の“歪んだ女性観”が、大きな問題となっている。

渦中の人物は、大統領儀典秘書官室のタク・ヒョンミン行政官だ。

「儀典秘書官室」とは、「大統領府の総体的行動様式を企画して執行するところ」(『東亜日報』)で、タク氏は5月の大統領選挙で文在寅氏の出馬映像の演出などを手がけた。先日の米韓首脳会談にも随行したとされている。

まさに韓国高官の一人というわけだが、問題視されているのはタク氏が過去に出版した書籍だ。

女性を侮辱するかのような表現の数々

彼は2007年に発行した著書『男心の説明書』で、自身の女性観について明かしている。

「したい、この女」と題したコラムでは「コンドームを嫌う女」「体を覚えさせる女」などと書いており、同じく「そそられる、この女」では「かかんだときに胸の膨らみが見える女」などと記述した。

その他にも、「背中と胸の差がない女がタンクトップを着るのは、男にしてみればテロに遭ったような気分」「短い服を着るくらいなら下に何か着るんじゃない」といった文も確認されたという。

自らの書籍に女性蔑視と指摘されかねない文章を書いているだけでも、十分にその資質を疑われる人物だが、2010年4月に発行した『想像力に権力を』という著書はさらに過激だった。

風俗街を「東方礼儀の国の美しい風景」と賞賛

同書には「私のソウル風俗文化探索記」と題された文があり、性売買や女性の商品化について何度も絶賛しているというのだ。

過去、韓国では性産業が国内総生産(GDP)の4.1%を占めているとの指摘があり、そんな性産業を抑圧しようと2004年に「性売買特別法」が施行されている。

それから丸10年以上が経った現在、さまざまな功罪が生まれていることは事実だが、大っぴらに性売買について賞賛することは許されることではないだろう。
(参考記事:施行から丸10年が過ぎて見えた、韓国「性売買特別法」の功績と“罪過”

にもかかわらずタク氏はその著書の中で、さまざまな種類の風俗店が並ぶソウルの一角について、以下のように記述している。

「このような風景を見ていると、実に東方礼儀の国の美しい風景と思わざるを得ない」
「昼夜を問わず享楽が日常的に可能な、おお! 胸に染み入るような美しい風景が演出される」

大問題になっている背景に、女性嫌悪の蔓延

強調しておくが、タク氏は皮肉を述べているわけではない。

7月4日、国会で開かれた人事聴聞会で「国民の党」キム・サンファ議員は、タク氏の書籍に触れ、「もしかしたら反語的な表現ではないかと思い、書籍を全部読んでみたが、性売買を批判するという部分を見出せなかった」としている。

韓国では近年、“女性嫌悪”がイシュー化しており、女性を蔑視するかのような記述や発言は非常にセンシティブな話題だ。

韓国メディアも、「誤った性意識の騒動、タク・ヒョンミン行政官を早く整理しなければ」(『韓国日報』社説)、「様式と品位毀損したタク・ヒョンミン行政官に対する大統領府の沈黙」(『毎日経済』社説)などと報じ、文在寅政権への影響を危惧している。

文在寅政権に悪影響を与える可能性も危惧

というのも文在寅大統領は以前、「同性愛が好きではない」と発言して、少なくない波紋を呼んだことがあったからだ。

今回の件でそれが蒸し返され、タク氏の歪んだ女性観のようなセクシュアルな問題が政権に悪影響を与える可能性も考える必要があるだろう。

文在寅政権が誕生して2か月。その高い支持率は今なお好調をキープしており、昨日7日に発表された韓国ギャラップ社の世論調査によると83%を記録したという。

そうした中で明らかになった韓国高官の歪んだ女性観が、新政権の足かせにもなりかねない。このまま看過される問題でもなさそうだ。今後の動向を注視したい。

(文=慎 武宏)